BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。地元九州への隠居を細々と構想中。書評?感想?読書日記をロジカルに書いていきます。

【1枚でわかる】『無敗営業』高橋 浩一

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この本で解ける疑問は?

  • 「他社の方が安かったので」という断り文句を封じる、値引き以外の方法とは?
  • 決裁者になかなか会えない商談、どうやって進める?
  • 「見積もりしか見ないお客様」の心を動かす提案書を書くには?
  • 「検討しますのでお待ちください」から、どうやってクロージングする?


https://www.amazon.co.jp/dp/4296103679

 

『無敗営業』って?

先日前職のコンサルの同期からこんな相談を受けました。

「質問力についていい本ないかな?営業を上手く進めるのに苦心してて…」

 

情けないことに、この悩みに対して、僕はオススメの本を紹介することができませんでした。

なぜなら、質問力云々の前に、その根底にある「営業」のことを全くといっていいほど理解していなかったからです。

「数字」や「業務プロセス」の課題について情報収集するのは得意なのですが、「人間の感情やニーズ」の情報収集は苦手なんですよね。
(そもそも、苦手だと思い込んで、避けてきたのかもしれませんね)

そうやって、「人間の感情やニーズ」と面と向かってしのぎを削る「営業」から距離を取ってきた僕は、友人の悩みに答えることができなかったわけです。

「身近な人の悩みに答えられない」…これは僕にとっては致命的で、凄く悔しい思いをしました。

 

…とまあ、前置きが長くなりましたが、上に述べた悔しさから「営業を1から学ぼう」と思い、書店で20冊くらいパラ読みしてみて…「これだ!」と手に取った本をご紹介します。

本のタイトルは『無敗営業

まずは本書を要約した「ペライチ」を見ていきます。

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

本書の内容を要約すると、次のことが書かれていました。

  • なかなか買ってもらえないのは、顧客と営業との間に「4つのズレ」があるからである。そのズレとは、「要件のヒアリングが不十分で、情報の把握ができていない」「営業に魅力や価値を感じない、また会いたいと思わない」「顧客の意図に沿わない提案を出してくる」「営業としての動きが悪い」の4つである。

  • 第一のズレ「要件のヒアリングが不十分で、情報の把握ができていない」を解消するには「質問力」が必要である。質問を通じて、品定め気味で警戒心の強いお客様からデリケートな事情や核心を聞きだすことが求められる。質問力として、「土台作り」「切り込む"聞く"」「深堀りする"聴く"」「具体化する"訊く"」の4つを押さえておくと良い。

  • 第二のズレ「営業に魅力や価値を感じない、また会いたいと思わない」を解消するには「価値訴求力」が必要である。ハイパフォーマー営業が価値訴求をレベルアップさせる流れは、「労務提供・適量コミュニケーション」→「情報提供・人の紹介」→「プラスα・提言」というラインを、「好感・共感」による潤滑油で支えている状態である。

  • 第三のズレ「顧客の意図に沿わない提案を出してくる」を解消するには「提案ロジック構築力」が必要である。お客様の悩みや課題に寄り添った提案をするための、基本的な提案ロジック構築力を活用した商談は四段階。「引き出すヒアリング」「まとめるヒアリング」「要件整理」「弊社対応の提示」の4つである。

  • 第四のズレ「営業としての動きが悪い」を解消するには「提案行動力」が必要である。ハイパフォーマーの提案行動は、「商談に加えて、商談の直前と直後に、電話かメールのコミュニケーションを頻繁に取っている」「社内を巻き込むタイミングが早く、社内やお客様とのコミュニケーションをはさみながら、徐々に提案の完成度を上げている」ことが特徴。これらの特徴が「要件ヒアリング」→「提案の構築」→「プレゼンテーション」→「クロージング」の流れの中に散りばめられている。

いかがでしたでしょうか。

ここまで営業のノウハウを体系的に語った本は中々無いと思います。

本書を手に取るまでに、20冊ほど目を通したのですが、どれも「トークスクリプト」「質問の仕方」「身だしなみ」「営業資料づくり」「プレゼンの話し方」など、各論ばかりだったんですよね。

もちろん、各論寄りの本は「深堀」のシーンでは使えますが、「全体観」を掴むのには向いていません。
(特に僕みたいな営業初心者には、「全体観」を掴めるビジネス書の存在は、大変ありがたいものです)

学び

営業においても「心理的安全性」が鍵となる?

Googleは「チームづくりにおいて、最も重要なファクターは"心理的安全性"だ」と語っています。このことは、下記の書籍でご紹介しました。

また、AppleやGoogleを1兆ドルを超える企業に育て上げたエリック・シュミット氏の書籍でも、同様に「心理的安全性」の重要性が指摘されています。

要するに、「チーム作り」においても「コーチング」においても、「心理的安全性」が決定的な役割を担っているのです。

これは「営業」においても同様なのでしょう。

「顧客の心理的安全性の確保が、営業でも重要である」…このことは、下図のマトリクスからもわかります。

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本書曰く、価値訴求のステップは「労務提供・適量コミュニケーション」→「情報提供・人の紹介」→「プラスα・提言」の流れです。

しかし、いずれのステップにも共通して、顧客が抱く「好感・共感」がベースとなります。
この「好感・共感」こそが、顧客が「心理的安全性」を抱く上での鍵なのではないでしょうか。

顧客に「好感・共感」を示し続けることで、次第に「あ、この人には何でも話して大丈夫だな」と安心感を持ってもらう。

こんな心理状態になって初めて、顧客は建前ではなく本音の情報を打ち明けてくれます。

「心理的安全性」はビジネス成功に必要な、普遍的で本質的なキーワードなのかもしれませんね。

明日から取れるアクション1つ

  • (最近、営業にも携わる機会が増えてきたので)日々の営業で、顧客の心理的安全性を確保するためのアクションを洗い出してみる


https://www.amazon.co.jp/dp/4296103679