BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。地元九州への隠居を細々と構想中。書評?感想?読書日記をロジカルに書いていきます。夢は大きく、「ビジネス書コンシェルジュ」になれるよう、頑張ります。

え、まだロジカルシンキングで消耗してるの?『右脳思考』内田 和成

この本で解ける疑問は?

  • ロジカルシンキングの限界を超えるには?
  • どう論理的に話しても、人を動かせないことがある…なぜ?
  • 右脳が冴えているのは才能?努力でもどうにかなる?
  • どのビジネス書にもロジカルシンキングについて書かれているけど、
    右脳って必要?

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『右脳思考』って?

-Why-なぜ書かれたのか?

本書で伝えたいこととして、筆者は次のように述べている。

本書では、感覚・感情・直感・勘など、論理(ロジック)では説明できないひらめき・思いつき・考えを総称して右脳とする。

それに対して、左脳とはロジック(論理)そのもの、あるいはロジックで説明できるものを指すことにする。

この本で伝えたいのは、ロジカルシンキングの否定ではない。ロジックだけでなく感情や勘、すなわち右脳を働かせることで仕事をより効率的に進める、あるいは、成果をあげることができるということである。(5ページ) 

確かに、社会人になってみて「論理的に考えよ」とは言われますが、「感情や勘にしたがって考えよ」と言われたことはありません。
一部のクリエイティブと呼ばれる職種以外は、「論理的に考えること」が優先的に歓迎されている気もします。

しかし一方で、いくら話の筋が通っていても「なんか、違うんだよなぁ」と言われて、なかなか議論が前進しない場面にもよく出くわします。

おそらくこれは、人間が「理性」よりも「感性」といった「好き嫌い」で動く生き物であり、ビジネスはそうした「人間」によって営まれるからでしょう。

では「右脳」で考えるとは、どういうことでしょうか?

-What-なにをすべきか?

筆者は次の章立てで、ビジネスにおける「右脳」について述べています。

第1章:右脳を使うことが重要な理由

第2章:右脳の使い方

第3章:右脳で考え、左脳でロジカルチェック

第4章:左脳で考えたロジックフローを右脳で肉付け

第5章:右脳「力」を鍛える

第6章:ロジカルシンキングより直感を信じてみよう(8ページ)

章立てを見るに、次のことが推測されます。

  • どうやら右脳と左脳は「両方」を駆使する必要がありそう
  • おそらく第3章以降はタイトル的に各論部分だろう
  • 総論的に「右脳思考のノウハウ」を知りたいときは、第2章を読むとよさそう

今回は、ざっくり「右脳思考とはなにで、どうやって頭を使うのか」を掴むために、第2章を詳しく見てみます。

-How-どのようにすべきか?

まず、本書によると、仕事は「インプット→検討・分析→アウトプット」の3ステージに分けられるそうです。
それぞれ、下記の意味合いで使用されています。

  • 「インプット」=情報収集・仮説づくり・課題発見
  • 「検討・分析」=真の課題の特定・分析・課題の構造化・代替案の抽出
  • 「アウトプット」=意思決定・コミュニケーション・実行

次に、頭の使い方については、「右脳と左脳を交互に使うこと」を推奨しています。
先述の3ステージと結びつけると、以下のようなイメージです。

  • 「インプット」…右脳で行う
    - 「情報収集」と「仮説づくり」は渾然一体となって進む
    - 課題発見では「エイヤー」で「とりあえず」を見つける
  • 「検討・分析」…左脳で行う
  • 「アウトプット」…右脳で行う
    - 意思決定時には「なんかおかしい」という感覚を大事にする
    - コミュニケーションの極意は「理屈通りにいかない」と心得ること
    - 実行のコツは感情に働きかけること

特に本書では、相手に「納得してもらうためには?」「意思決定でOKをもらうためには?」といった「アウトプット」に重きを置いて述べられている印象を持ちました。

さらに「え、どういうこと?」と深ぼってみたい方は、是非本書を読んでみてください。

また、本書に明記されているわけではありませんが、
個人的に、この「インプット」「検討・分析」「アウトプット」を体系的に鍛えたいのであれば、内田 和成さんが書いたビジネス書を以下のように読み分けることをおすすめします。

  • 「インプット」を深掘りしたいとき…『仮説思考』
  • 「検討・分析」を深掘りしたいとき…『論点思考』
  • 「アウトプット」を深掘りしたいとき…『右脳思考』←本書

 

学び

本書を通して、「ストーリー作りは、基本的な型は守りつつも、型の中身は受け手に応じて手作りする必要がある」ことを学びました。

本書を読む前は、下記の記事でも、ストーリー作りには「空・雨・傘・付箋」型か「Why→What→How」型の2パターンがあると述べました。

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おそらく、これはこれで、「基本的な型」として必要だと思います。

しかし、「型の中身」を埋める作業は、聞き手や読み手に応じて変えていく必要があります。

本書では、この「型の中身」を埋める作業を、「ストーリーを豊かにする方法」として、次のポイントを提示しています。

  • 立体感:イメージできる
  • 現実感:実現できそう
  • 安心感:やってみたい、自分でもやれそう(169ページ) 

これらのポイントは、「相手にわかってもらい、動いてもらう」ためのシンプルな原則だと思います。

 

例えば、営業支援システムの導入プロジェクトを担当していたときのことです。

ITの知識をまったく持っていない営業さんに対して、システムの使い方を「Why→What→How」の順番で話す。
これは正しいと思います。

ただ、話の中身が「システムの専門用語」のままだと、営業さんにはわかってもらえません。

こういうときは、システムの専門用語を、営業さんが普段使っている手帳やExcelに例えて話すとわかってもらえます。
おそらく、営業さんが見ている景色に合わせて言い回しを変えたことによって、先ほどの「立体感」「現実感」「安心感」を多少なり与えることができたのだと思います。

ただし、この3つの原則を「意識して」使ったことはありませんでした。
次からは、ストーリーの「型」だけでなく、「中身の手作り」にもこだわっていこうと思います。

明日から取れるアクション1つ

  • 自分が書いた資料を「立体感」「現実感」「安心感」の3つのポイントでチェックする

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