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【要約・書評】『賢さをつくる』谷川 祐基

この本で解ける疑問は?

  • 頭がいい人ってどんな人?
  • どうすれば頭をよくできる?

『賢さをつくる』って?

「頭がいい人ってどんな人?」と聞かれると、皆さんはどう答えますか?

  • 物知りな人
  • テストの点数が高い人
  • 頭の回転が速い人
  • 飲み込みが速い人
  • 話がわかりやすい人
  • 発想が豊かな人

…色々な切り口が出てきますね。

本書『賢さをつくる』によると、これらの要素をまとめると、「頭がいい人=具体と抽象の往復運動が得意な人」と表現できるそうです。

個人的には、非常に納得感の高い定義です。

では、どうすれば「具体と抽象の往復運動が得意な人」になれるのか?

…この問いに迫ってみます。

 

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

  • 頭がいい人とは「具体と抽象の往復運動が得意な人」である。頭の良さをさらに分解すると、「具体と抽象の距離が長い」「具体化と抽象化のスピードが速い」「具体化と抽象化の回数が多い」の3つの要素に分けることができる。
  • 具体と抽象は「どっち偉くて、どっちが下」という関係ではないため、上下ではなく左右の関係で表現する方が望ましい。
  • 思考を右(=具体)に振るためには、下記の問いを考えてみるとよい。
    ★4W1H(いつ、どこで、だれが、何を、どのように)
    ★たとえば?
    ★TPO
  • 思考を左(=抽象)に振るためには、下記の問いを考えてみるとよい。
    ★Why(なぜ?)
    ★要するに?つまり?まとめると?
    ★本当は?本当に?
    ★目的は?
    ★そもそも?

いかがでしょうか。

この本の一番凄いと思うポイントは、「頭の良さを、単純明快なロジックで表現したこと」でしょう。

一見すると「本当に、具体と抽象の往復運動だけなのか?」と思いますが、その疑問は読み進めていくうちに解消されていきます。

「頭の良さとは何なのか?」を知りたい方に是非オススメしたい一冊です。

学び

思考は「枕詞」で矯正できる

本書を読みながら改めて思ったのは、思考は「枕詞」で矯正可能だということです。

実践を通して思考力を磨きたい場合は、次のような「枕詞」を強制的に使ってみると効果的です。

  • 要は~
  • 一言でいうと~。細かくいうと3つあって、1つ目は~
  • 結論からいうと~。なぜならば~
  • 確かに~。しかし~

こんな風な枕詞で話始めると、枕詞のフレームに沿った話し方をしなければならないので、自然と言葉がシャープになります。
「結論からいうと~」で話始めると、結論を話すしかありませんからね(笑)

 

ちなみに私は「一言でいうと~」が苦手でした。

「一言でいうと~」で話始めても、一言で言い切ることができず、恥ずかしい思いを何度もしました…

今では「1.5言」ぐらいで表現できるようになってきました(笑)

こうやって少しずつ、自分の思考を矯正していきたいですね。

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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