スキルアップ マインドセット 書評

【要約・書評】学び方の学び方

「最強のポータブルスキル(どの職場・職種でも使えるスキル)を1つ挙げよ」と言われたら、どのスキルをピックアップしますか?

私は「学ぶスキル」を選びます。

ちなみに、「The Future of Skills : Employment in 2030」でも、2030年に必要とされるスキルの1番目に「戦略的学習力」が挙げられています。
1位から順にならべると、次のとおり。

1位:戦略的学習力
2位:心理学
3位:指導力
4位:社会的洞察力
5位:社会学・人類学
6位:教育学
7位:協調性
8位:独創性
9位:発想の豊かさ
10位:アクティブラーニング

つまり、2030年に最も求められるスキル「学ぶ力」を今のうちに高めておけると、10年後には無双できる。
確かに、ChatGPTを真っ先に使いこなしているのも、学ぶ力を持っている人。
時代を先取りしてSNSで稼ぎまくっている人も、学ぶ力が長けている人。
今後どんなテクノロジーが発展しようが、学ぶ力は永久に重宝されるでしょう。
じゃあ、今のうちに学ぶ力を積み立てておきましょうよ。
・・・ってときにうってつけの本が、今回ご紹介する『学び方の学び方』です。

『学び方の学び方』とは?

本書は、生体工学の教授であるバーバラ氏と、教育テクノロジー企業のCEOオラフ氏が書いた本です。
この2人が、神経科学と認知心理学に基づいた学習法をまとめてくれている。
しかも、オックスフォードやハーバードなど、世界有数のトップ大学の学生たちがこぞって学んでいる学習法。
・・・これはもう、本書の内容を思考停止して実践してみたほうがいいんじゃないでしょうか。

それくらい、読む前から「すごい感じ」のする本でしたが、実際に読んでみると納得感満載でした。
私なりの言葉で、読書メモをまとめたものが、こちらです。
10章にわたり、様々な観点から学習法が語られていましたが、思い切って4カテゴリーに集約してみました。

①時間の使い方

  • ポモドーロ:邪魔なものを無くて「25分集中→5分休憩」のサイクルを忠実に回す
  • 休憩中は絶対にスマホ禁止。スマホをイジる人とそうでない人とで、ノートに取る情報量に62%の差が出るそれくらい、スマホによる脳への負担はデカい

②環境の作り方

  • スマホに気を取られない仕組みをつくる。通知を切り、アプリの時間制限を設け、手の届かない場所にスマホを置く
  • 周りに公言して、社会的プレッシャーを浴びる(例:「私、○○の資格の勉強はじめるから」と公言する)

③脳の使い方

  • 難しい問題から手をつける→行き詰ったら別の問題を解く→難しい問題に戻るとやると、頭の中の「無意識」を有効活用できる
  • すでに持っている知識・経験と結びつけながら学ぶ。学ぶとは、ニューロンを結合させることだから

④ノートの取り方

  • 得た情報を細かく分解する
  • 「自分言葉=全くの素人に説明するのであれば、どう表現するか」で書く
  • 図やチャートにしてまとめる

個人的に特に印象に残った点をかいつまむと、以上のとおりです。

ポモドーロ・テクニックを間違って運用しちゃってました

本書を読んで、一番ショックだったことがありまして・・・

ポモドーロ・テクニックを間違って使ってました。

改めて、このテクニックの手順を説明すると

  1. 学習の邪魔になるもの(スマホなど)を身のまわりから排除する
  2. タイマーを25分で設定して、仕事や勉強に没頭する
  3. 25分たったら、5分間休憩する
  4. この手順を忠実に繰り返す

といった内容です。

私が誤っていたのは「25分たったら、5分間休憩する」のところ。
5分間休憩のタイミングで、スマホをいじってたんですよ。
「なんかLINE来てないかな」
「Twitterでいいね!が来てるぞ」
「お、おもろそうなYoutubeあるやん」
…みたいに、休憩時間にスマホを触っていました。

これがダメだったんですよね。
スマホをいじっている時間、脳は休憩できません。
LINEを見て→Twitter見て→Youtube見て…どんどん使うアプリも見る情報もコロコロ入れ替わるので、
スイッチングコスト(別の課題に適応して集中しなおす労力)が浪費されます。

したがって、休憩時間はとにかく脳みそを空っぽに。
遠くの緑を眺める、散歩する、瞑想する。
これが、本当の意味での「休憩」です。

やはり「無意識」の力は偉大なり

もう1つ、学びが深かったのが、脳の使い方について。

「難しい問題から手をつける→行き詰ったら別の問題を解く→難しい問題に戻る」という方法が紹介されていました。
まず問題用紙を眺めて、難しい問題に印をつけていく。
難しい問題から解いてみて、行き詰ったら、簡単な問題を解く。
簡単な問題を解いているあいだに、頭の中の「無意識」には難しい問題を考えてもらう。
すると、もう一度、難しい問題と向き合ったときに、スラスラ解けるようになる。
…といった内容です。

この話は、発想法の名著でありバイブルでもある『アイデアのつくり方』でも指摘されていました。
この本の概要を1枚で示すと、次のとおり。

本書によると、資料を収集してそれをかみ砕いて考え抜いたら、「絶望状態=頭の中がしっちゃかめっちゃかで、はっきりした明察が生まれてこない状態」になると。
この絶望状態に陥ったタイミングで、いったん問題を放棄する。
すると、頭の中の「無意識くん」が独りでに情報を整理整頓してくれると。
そしてある日、シャワーを浴びているとき、トイレをしているときなんかに、ふとアイデアが降ってくる。
・・・こんなメカニズムで、新たなアイデアは生まれてきます。

このように、頭の中の「無意識くん」を活用することが、効率よい学びのカギなんだと、改めて痛感させられました。

 

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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