キャリア マインドセット 書評

【要約・書評】『人生が変わる2枚目の名刺』柳内 啓司

この本で解ける疑問は?

  • 「副業解禁」になったんだけど、それっていいこと?
  • よく「副業で疲弊している人」のニュースを見るけど、副業で人生を豊かにできるの?
  • 副業をすると、本業と副業両方が中途半端にならない?

https://amzn.to/2tDs0io

『人生が変わる2枚目の名刺』って?

-Why-なぜ書かれたのか?

本ビジネス書の「はじめに」にて、次の記述がございました。

本書は、2枚目の名刺を持つという生き方について、メリットや実践のヒントを紹介し、あなたの人生の選択肢として加えていただきたいという思いで書かせていただきました。

(中略)

2枚目の名刺を持つ働き方は、生活の基盤を持ちながら、したたかに自分の夢を実現していく「戦略」として、今の時代にとってもマッチしていると考えています。

本書が「これからの働き方」を一緒に考えるきっかけになれば、私にとってこの上ない喜びです。(5ページ)

つまり、「生活の基盤を保ちつつ、自分の夢を実現させる2枚目の名刺の持ち方・メリットを伝授すること」が本書の目的です。

-What-なにをすべきか?

まずは、下記の論点について「ペライチ」に整理してみました。

  • 2枚目の名刺を持つとは、どういうことか?
  • なぜ、2枚目の名刺が広まったのか?
  • 2枚目の名刺を持つと、どんなメリットがあるのか?
  • どのようにして、2枚目の名刺を実現させるのか?

図1をご覧ください。

f:id:logichan:20190226110018p:plain

図1

「2枚目の名刺を持つ」とは?

まず、2枚目の名刺の定義についてです。
本書には次のような記述がありました。

私を含め2枚目の名刺を持って活動している人たちが、口を揃えて言うこと。それは、「2枚目の名刺は、本業との相乗効果を生み、さらに人生を楽しいものにしてくれる」ということです。(4ページ)

この記述を踏まえると、
2枚目の名刺を持つ=本業との相乗効果を生み、さらに人生を楽しいものにしてくれる副業を持つこと
…と定義できます。

なぜ「2枚目の名刺」が広まっているのか?

2枚目の名刺が広まっている背景としては、次の3点が挙げられます。

1. 情報技術の進歩

IT技術は、活動にかかるコストや労力を最小にした。
作業の効率化が社外活動に挑戦することを可能にする。(113ページ) 

2. 会社の短命化

会社の短命化、人間の長寿化がますます加速する。
1つの組織で人生を全うできない時代に。(115ページ)

3. パラダイムシフト

成功の方程式なき時代を生き抜くために、自ら幸せを定義することが必要。
複数の活動をしながら、生きがいのリスクヘッジを。(117ページ)

2枚目の名刺を持つと、どんなメリットがあるのか?

次に、2枚目の名刺を持つメリットについて。

筆者は17個挙げていますが、個人的に印象的だったものを1点ご紹介します。
それは、
「生きがい」をリスク分散できる
…です。

具体的には、次のように述べられていました。

「生きがい」を本業とは別に持っておくと、会社に依存しなくなるので、会社に対して不平不満をぶつけるようなこともありませんし、精神的に安定して、本業でも高いパフォーマンスを出せるようになります。(35ページ)

確かに、本業だけに「生きがい」を求めてしまうと、「自分がやりたくないこと」をやる部署やプロジェクトに配属された際に、「生きがい」を求める手段が無くなってしまいます。

では、メリットなどは理解できますが、具体的に、どのようにして「2枚目の名刺」を成功させていくのでしょうか?

-How-どのようにすべきか?

ここでは、図2の「自分の専門性を、本業以外に活かす」に着目してみます。

f:id:logichan:20190226111649p:plain

図2

例えば、私の場合は、コンサルティングをやっていますので、「ロジカルシンキング」「ドキュメンテーション」「プレゼンテーション」といったスキル面や、「ITを活用したマーケティングや営業業務の効率化」といったナレッジ面が、「専門性」となります。

しかし、本業であるコンサルティングをやっているときは、「あ、自分はこれが専門性で、得意分野だ」と思う瞬間に出くわすことはありません。
なぜならば、本業がコンサルティングである以上、周りにいる社員もまた、同じような専門性を持っているためです。
「周りと比べて、相対的に得意」でないと、専門性や得意分野は実感しづらいのです。

 

一方で、副業の場で、本業の専門性を発揮すると、周囲から感謝されたり、他の同業者と差別化が図れたりします。

例えば、本ブログにて、ビジネス書の書評を「コンサルっぽい切り口で整理する」。
これだけでも、他の書評ブログと差別化を図ることができます。

「ポジショニング」を本業から副業へと変えるだけで、自分の専門性が際立つわけです。

この点を意識すると、確かに副業をスムーズに立ち上げることができます。

他にも、このように「2枚目の名刺を成功させるコツ」をたくさん教えてくれるのがこの本です。
副業を考えている人は、是非読んでみてください。

 

学び

本ビジネス書を通して、次の学びを得ました。

「好きなもの」×「専門性」で副業を小さく始められる

まず「好きなもの」について。

私は、ビジネス書が好きです。
この「好きなもの」に気づくおすすめの方法があります。

それは、「普段、お金をかけているものを、洗い出してみること」です。

例えば、私の場合は、意外とビジネス書にたくさんお金をつぎ込んでいることがわかりました。
特に意識していなかったのですが、「どうやら潜在的にビジネス書が好きなんだな」と気づきを得ることができました。

「好きなものの見つけ方」については、下記の記事でも触れていますので、気になった方は、是非ご覧ください。

もし、「私がビジネス書にかける想い」に1mmでも興味を持った方は、こちらの記事もご覧ください。

 

次に「専門性」について。

これは、先述した通り、コンサルタントとして培った「ロジカルシンキング」や「ドキュメンテーション」です。

この専門性を活かして、先述の図1のような「ペライチ」を作っています。

つまり、
「ビジネス書(好きなもの)」×「コンサルスキル(専門性)」=本ブログ(副業)
…という方程式のもと、副業を楽しく行うことができています。

「好きなもの」×「専門性」でブランドを作れる

「好きなもの」と「専門性」を掛け合わせると、ブランドを作ることもできます。

例えば、図3の本ブログのロゴは、ブランドそのものを示しています。

f:id:logichan:20190222154848p:plain

図3
  • BIZ=ビジネス書=好きなもの
  • PERA=ペライチ=専門性

…と、このようにして、本ブログのブランドを作っています。

ちなみに、ブランドとは、「使い手が一発でわかる、他との違い」を指します。
「好きなもの」だけだと、他との違いは生まれません。
そこに「専門性」をかけ合わせることで、初めて「他との違い」、すなわち「ブランド」を生み出すことができます。

もし、本ブログのブランドに興味を持ってくださった方は、こちらの記事もご覧ください。

明日から取れるアクション1つ

  • 「2枚目の名刺」として、自分の肩書を考えてみる
    (今のところ「ビジネス書コンシェルジュ」が有力…)

https://amzn.to/2tDs0io

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

-キャリア, マインドセット, 書評

© 2024 BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで