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【要約・書評】『これからの生き方。』北野 唯我

追記(2020/10/20)

これからの生き方。』について、北野さんご本人と対談企画を実施いたしました。

  • なぜ「漫画編」「ワーク編」「独白編」の構成になっているのか?
  • なぜロジカルなのにエモい「ロジエモ」な文章が書けるのか?

…などなど、本書の魅力に迫っています。

是非聞いてみてもらえると嬉しいです!

 

また、インタビューを記事にもまとめてもらいましたので、活字でゆっくり読みたい方はこちらをご覧ください。

この本で解ける疑問は?

  • 自分がこのままでいいのか?
  • どうやって、どのように生きるのか?

『これからの生き方。』って?

ついに、ついにこの本が家に届きました。

この本を読むためだけに、今週を乗り切ったと言っても過言ではありません。

それほど、著者の北野 唯我氏の本を待ち望んでいました。

こんな記事を書いてしまうくらい、北野氏の「ロジカルでエモい人間洞察」に影響されています。

 

本記事は、待望の新刊『これからの生き方。』の魅力を余すことなく伝えること

この1点だけに注力して書いていきます。

 

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

はい、本記事のタイトルを見ていただいてわかる通り、この本の魅力をスライド1枚で整理し切ることはできませんでした(笑)

ですので、本書を読んで特に印象に残ったメッセージをつらつらと箇条書きしていきます。

  • 人間の好き嫌いには「身体的な好き嫌い」と「思想的な好き嫌い」がある。
    特に後者は、複雑で正解がなく、金銭的にも解決できないものである。
  • 己の生き方を考えるため、そして他人と分かり合うためには「仕事への価値観=労働価値の解像度」を上げる必要がある。
  • この「労働価値」は1つではなく、複数の要素が絡み合っている。だからこそ、1つの場所で全ての労働価値を満たそうとするのではなく、「分散させること」も大事である。
  • 労働価値を「分散」して満たすためには、例えば以下の手順を踏むとよい。
    ①14の労働価値を自分なりに優先順位づけする
    ②優先順位が高いものについて、今の仕事で満足できているもの、不満に感じるものの2つに分けてみる
    ③不満に感じるものについては、別の手段(副業、趣味など)で「分散」して満たせないかを考える
    ④直近1週間の中で、「分散」のための具体的な行動をスケジューリングする
  • こうした「労働価値の洗い出し」や「分散」を繰り返しながら、究極的には「己の感性=自分と周りの違いに気づく力=自分だけの大切な武器」を磨き続けることが重要である。

…と、特に私自身が大事だと思ったことを箇条書きにしてみましたが、まだほとんど頭の整理…いや、感情の整理ができていない状態です。

  • 誰もが身近で見てきた風景が漫画としてエモく描かれていて
  • 漫画の風景に散りばめられた伏線が、ワーク編でロジカルに回収されていく

これです。この「ロジエモ」な感じを待っていました。

心を直接揺さぶられ、言葉にできないエネルギーがこみ上げてくる…そんな「魔法のガソリン」のような本でした。

学び

北野氏の著書で見えてくる「共通項」

あくまで私の完全な主観です。

本書しかり、『転職の思考法』『天才を殺す凡人』『分断を生むエジソン』といった本を読んでいて、なぜこうも心を動かされるのか。

それには、これらの本に共通する2つの要素に、深く共感したからだと思います。

  1. 人間同士の「分断」に対する、強い問題意識
  2. 人間をあらゆる切り口で洞察しつつも、最後は「人の可能性」を信じ切る温かさ

①人間同士の「分断」に対する、強い問題意識

まず1つ目について。

日ごろから目にする、「嫉妬」「足の引っ張り合い」「周りから理解されず病んでいく人たち」。

こうした風景をただ眺めて終わるのではなく、

  • なぜ、人間同士の「分断」が生じるのか
  • 「分断」を無くすためには、どのような解決策が取り得るのか

…こういった論点について徹底的に考え抜かれています。

例えば、『天才を殺す凡人』では、人間同士でコミュニケーションの「分断」が生じる理由を、「天才」「秀才」「凡人」のモノサシの違いで説明されています。

あるいは、今回ご紹介した『これからの生き方。』では、コミュニケーションの「分断」の理由を、「労働価値の違い」で説明しています。

 

そして、こうした「分断」を解消するために、『天才を殺す凡人』でいう「根回しおじさん」や、『分断を生むエジソン』でいうアンバサダーたちが必要不可欠である。

もしくは、『これからの生き方。』だと、労働価値の違いを認め合うことが大切だと語られています。

これらは、切り口は違えど、「人間同士の分断を解決したい」という一貫した問題意識が感じ取れます。

②「人の可能性」を信じ切る温かさ

転職の思考法』の読み始めなんかは、「わー、登場人物の黒岩さん、厳しいなー」と思いますよね。

しかし、読み進めていくうちに、「ああ、この本は、この社会で戦っていくための武器となる思考法を授けてくれようとしてるんだな」と、裏側にある優しさに触れることができます。

これからの生き方。』でも、登場人物1人ひとりが厳しい現実に直面します。

しかし、誰一人見捨てることなく、登場人物の「感性」が1つずつ、丁寧に扱われています。

こうした作品は、「人の可能性」を信じていないと書けないはずです。

 

「なぜ北野氏の本は、ロジカルでエモいのか?」

その答えに、少し迫ることができたような気がします。

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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