この本で解ける疑問は?
- 「無駄な仕事」「無意味な仕事」に振り回されないためには?
- 「やるべきこと」と「やめるべきこと」の見極め方は?
『その仕事、全部やめてみよう』って?
本のタイトルを見た瞬間、「間違いなく僕のタイプの本だ」と思いました。
「タイプの人」ではなくて「タイプの本」です。
たまに一目ぼれしてしまう本…それを「タイプの本」と読んでいます。
なぜ一目ぼれをしたか。
それは、私が大好きな「ひく」について語っていそうな本だったからです。
仕事には大きく「たす」「ひく」「みがく」の3種類があります。
私が一番好きなのが「ひく」です。
本書『その仕事、全部やめてみよう』のタイトルからして、「ひく」がメインテーマなのがよくわかります。
実際に読んでみた結果…やはり「ひく」がメインテーマでした。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- 「谷」を埋めるな、「山」を作れ
「谷=欠点や弱点」は、すでに他社が世に示した体験や価値…ここに時間を取られてはいけない。
「山=長所やユニークさ」にひたすら集中して、①まだ誰もやっていないこと、②他業種や他国の成功例のエッセンスを取り入れる、③ギャップに目をつける…の3つに注力する。 - 「ハンマーと釘」の世界の落し穴
「使ってみたい技術があるからプロジェクトを立ち上げる」のは絶対ダメ。
新技術に飛びつく前に、①その技術が課題解決にどう役立つのか、②他のやり方では実現できないのか、③その技術を使ったことがあるか…の3つを考え抜くことが大事。 - 「ラストマン戦略」で頭角をあわらせ
ラストマン=最後の砦とも言うべきスペシャリスト。
まずは自チームでラストマンを目指す→次に会社でラストマンを目指す→次に業界内でラストマンを目指す。
ラストマンになれなかった時点で、別の領域にピボットしてOK。 - 「To Stopリスト」をいますぐ作る
①何かを新しく始めるとき、②忙しすぎて業務がまわらなくなったとき、③非効率な仕事が増えてきたとき…の3つのタイミングで「To Stopリスト」を作る。
①定例会議、②引き継がれた業務、③データ集計や資料作成、④社内サービスの中でも利用率が低いもの、⑤事故再発防止を重ねて慎重になりすぎている業務…の5つは「To Stop」のチャンス。 - 職場は「猛獣園」である
猛獣園=多様性に満ちて突き抜けた人材のいるチーム。
相手の言っていることを深く理解する姿勢が大事。
「おれがやった方が早い病」を治す方法は、①おれがほめた方が早い、②おれが教えた方が早い、③おれが見本を見せた方が早い…の3つ。
いかがでしたでしょうか。
ここに書いたことは、ほんの一部です。
本書を読んでいくと、1ページ1行にビッシリと、 「ひく」ためのエッセンスが散りばめられています。
とことん合理化にこだわってきた著者だからこそ書けた本だと思います。
仕事の取捨選択に苦心されている方に強くオススメしたい一冊です。
学び
「やるべきこと」と「やったほうがいいこと」を見極めるのも効果的
前回の記事でお伝えしましたが、「やるべきこと」と「やったほうがいいこと」を厳しく見つめ直すのも非常に効果的です。
私は、目の前の仕事を次の2軸で分類するようにしています。
- 「やるべき仕事」か「やったほうがいい仕事」か
- 自分にとっての「土俵」か「土俵外」か
ここでいう「やるべき仕事」は、本書でいう「真に顧客にとって価値あるもの、顧客が大喜びするもの」だと思います。
そして「土俵」というのは、本書でいう「山=長所やユニークさ」のことを指しています。
つい「土俵外」を補うことに目が行きがちですが、そこはグッとこらえて、「土俵」のうえでの勝負にこだわる。
そういった働き方をしていきたいなと、本書を読んで改めて実感しました。
土曜の朝に、いきなり良書と出会えて、幸せな気持ちでいっぱいです。