BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。地元九州への隠居を細々と構想中。書評?感想?読書日記をロジカルに書いていきます。夢は大きく、「ビジネス書コンシェルジュ」になれるよう、頑張ります。

【1枚でわかる】『マーケティングとは「組織革命」である。』森岡 毅

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この本で解ける疑問は?

  • 今いる会社で変化の起点となるために、必要なことは?
  • 「組織」は「一人」の力を発揮させるためにどのような仕組みを備えるべきか?
  • 「一人」はどのような方法で「組織」をより良く変えていくことができるか?


https://www.amazon.co.jp/dp/4822257959

 

『マーケティングとは「組織革命」である。』って?

この本を手に取った理由は、単純に著者の森岡 毅さんが大好きだからです。

他にも2冊ご紹介しましたが、この「深い人間洞察と、歯に衣着せぬ物言い」は本当にクセになります。

今回読んだ『マーケティングとは「組織革命」である。』も非常にスパイスの効いた良書でした。

まずは本書の「ペライチ」を見ていきます。

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

本書の内容を掻い摘むと、次のことが書かれていました。

  • 会社に変化を起こすためには、2つの論点を考える必要がある。
  • 第一の論点:「組織」は「一人」の力を発揮させるためにどのような仕組みを備えるべきか?

    • まず、人間の本質である「自己保存」を前提に、システマティックな仕組みを構築する必要がある。人間の脳は、動物の本能として「変化を拒む」ようにできている。放っておけば、人間は「個人>組織」の判断軸で動いてしまう。したがって、個人の「自己保存」本能を逆手にとって、個人の利害=組織の利害となるように、インセンティブを設計する必要がある。

    • 次に、コミュニケーション不全の組織に共通する事象「上下関係」を解消する必要がある。そのためには、「年齢差」「役職差」「性別差」の3つの呪いをぶち壊すことがカギとなる。

  • 第二の論点:「一人」はどのような方法で「組織」をより良く変えていくことができるか?

    • 「提案を通すスキル」を駆使することで、一人でも変化の起点となることができる。具体的には、次の5つのステップで考える。

    • 1点目に、【組織文脈の理解】ゲームのルールを理解する。所属する組織と、その上位や下位の「戦略と目的」や「意思決定者」を特定することが重要。
    • 2点目に、【目的の設定】勝率の高い戦いを設定する。目的や戦略が明らかな場合は、この作業はほとんどいらない。しかし、目的や戦略が曖昧な場合には、1)意思決定者が何に困っているかを調べる、2)組織に色濃い不文律暗黙知から探る、3)普遍的な経営のキーワードから仮定する、などのアクションが必要。
    • 3点目に、【Who】ターゲットは実は2つあるを念頭に置く。具体的には、組織目的に忠実なターゲットと、「自己保存」に忠実なターゲットの2系統を理解する。そのうえで、第一優先で意思決定者を、第二優先で合意形成の重心となる人物を、第三優先で提案を潰せる人を徹底的に分析する必要がある。
    • 4点目に、【What】便益も2つそれぞれを明確にする。組織目的に忠実なターゲットには「公の便益」を、「自己保存」に忠実なターゲットには「個の便益」を訴求する。
    • 5点目に、【How】言いたいことを相手が聴きやすいように話す。まず、聞き手のスタイルが「攻撃型」「積極型」「反応型」「消極型」のどれかを特定する。1)相手が「攻撃型」の場合は、まずは「反応型」で対応し、相手が落ち着いたら「積極型」に変え、2)相手が「消極型」の場合も、まずは「反応型」に成り切り、質問を駆使して相手の心中を理解すると良い。

いかがでしたでしょうか?

350ページのボリュームということもあり、要約が少々長くなってしまいました。
(ペライチがいつもより大きめなのは、目を瞑っていただければと…)

一瞬タイトルを見ると「マーケティング=組織革命」と書いてあるので、「なんのこっちゃ?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ちなみに私は「え?違うでしょ?」と斜に構えて、本書を手に取ってみました。

ところが、読み進めていくうちに、「あ、確かに、組織の革命に必要な本質的な考え方は、すべてマーケティングで説明できる」と腑に落ちるはずです。

筆者の示唆に富んだこの一冊は、私にとって宝物になりました。
大好きな本が増えて、とても嬉しく思います。

 

学び

提案を通すためには、「本陣」がどこかを見極める

この本を読んでみて、改めて「ターゲットの理解」の大事さを噛み締めました。

提案の通し方の章を読みながら、ふと、漫画の『キングダム』を思い浮かべました。
(「またキングダムかよ」と思われた方、すみません…)


https://www.amazon.co.jp/dp/4088914023

この漫画では、だいたいはリーダーである「武将」や「隊長」が戦略を考えて、考えた戦略を決定事項として兵士たちを動かしていきます。

ですので、「武将」や「隊長」がいる場所が「本陣」だといえます。

 

一方、この漫画の主人公である「信」は、5000人以上の隊の隊長です。
隊長なので、当然「意思決定権」を持っています。

しかし、実際に戦略を考えて、指示を出して兵士を動かしているのは、軍師である「河了貂」です。

最終的な戦略の内容について意思決定を下すのは「信」ですが、実質的なコントローラーは「河了貂」なわけです。

実際、戦争のシーンでは、「信」はほとんど「本陣」にはおらず、最前線で戦っています。

ですので、「河了貂」がいる場所が「本陣」となります。

 

…だいぶ周りくどくなりましたね。何が言いたいか。

それは、「意思決定者が必ずしも、本陣、本丸とは限らない」ということです。

自分の提案を通そうと「意思決定者」にばかり根回しをした結果、「意思決定者に重要な影響を及ぼす軍師」への根回しを怠ってしまった。軍師にボコボコにつっこまれて、提案はとん挫した。

…みたいに、「意思決定者以外の重要人物」を見逃してしまうと、痛い目に合います。

裏を返すと、目立つ「意思決定者」に惑わされず、「本当の本陣は、部下の〇〇さん?それとも同期の〇〇さん?」…とアンテナを張っておくことが大事ですね。

自戒の意を込めて。

明日から取れるアクション1つ

  • 提案を企画する際は、必ず【組織文脈の理解】→【目的の設定】→【Who】→【What】→【How】のフレームで考える


https://www.amazon.co.jp/dp/4822257959