BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。地元九州への隠居を細々と構想中。書評?感想?読書日記をロジカルに書いていきます。夢は大きく、「ビジネス書コンシェルジュ」になれるよう、頑張ります。

【生意気コラム】「提案があがってこない組織」の構造

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はじめに

上長のあなたは、きっと次のような悩みを持っているはず。

「なんでウチの組織では、下から提案があがってこないんだ」

「誰も提案をあげてこない…みんな当事者意識が欠けているんじゃないか」

「言われたことだけやっていればいい…と思っているんじゃないか」

 

はい、いつも気苦労をおかけしています。

しかし、実は我々若い層も、日々頭を悩ませています。

決して当事者意識が低いわけじゃないんですよ。

日々頑張って手を動かしている分、改善ポイントに気づくことも多いんです。

入社して数年経つと、それなりに会議中に「あれ、こうしたらもっとよくなるんじゃない?」と思うこと多い。

でも、ぶっちゃけ言いたくないんですよ。

それは一体なぜだと思いますか?

 

今回は前職のコンサル時代に見てきた光景を材料に、「会議でアイデアや提案を話したくない理由」をざっくばらんに書いてみます。

「提案があがってこない組織」の構造

いきなり本題に入ります。

なぜ部下から提案があがってこないのか?

なぜ部下は提案をあげたくないのか?

それは、以下の負のスパイラルに陥っているからなんです。

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順に説明します。

例えば会議中。

改善ポイントに気付いた部下が「これは〇〇をやったほうがいいんじゃないでしょうか」と、やったほうがいいことを思いついて提案する。

すると上司が、「じゃあ君がやってくれないか?」と頼む。

もしその仕事が部下にとって「やりたいこと=得意or好きなこと」であれば、問題なくノリノリでやってくれるでしょう。

しかし、もし部下にとってその仕事が「やりたくないこと=苦手or嫌いなこと」であればどうでしょう。

「ぶっちゃけ面倒くさいな」

「言わなきゃよかった」

…そんな心境で、渋々仕事を引き受けます。

そして仕事を終えて、「はあ…もう二度と提案するもんか」とため息をついてひと段落。

 

しばらく経つと、また上司を交えた会議がスタート。

上司がいつも通り「何か意見や提案がある人いる?」とみんなに投げかける。

「提案したら、またその仕事やんなきゃいけないもんなー。手を挙げた人が損するだけじゃん」と思っている僕は沈黙を死守。

みんなもだんまりとしていると、痺れを切らした上司が「なんで誰も提案しないんだ!ちゃんと当事者意識があるのか!」と怒鳴り出す。

そこでしょうがなく僕が、会議中に感じた改善ポイントを意見する。

すると上司から「いいね。じゃあ君がやってくれよ」と言われる。

…この繰り返しこそが、負のスパイラルだと思うんです。

では、なぜこのような負のスパイラルが生じるのか?

部下目線で考えてみたいと思います。

問題の本質は「選択権」がないこと

僕は「選択権」がないことが問題だと思います。

Mustな業務、やらないとビジネスに致命的な影響が出てしまう仕事であれば仕方がありません。

社会人である以上、Must業務はやって当然。やらないとクビになるかもしれません。

 

一方でNice to haveな仕事、やったほうがいい系の仕事はどうでしょう?

「やってもやらなくてもいい」と思えるからこそ、リスクフリーに肩の力を抜いて発言できることってありますよね?

ところが「発言したことは、絶対やらなければならない」と言われた瞬間、どうなるでしょう?

ぶっちゃけ発言したくないですよね?

だって発言したらした分、仕事が増えてしまうんですから。

 

そうです。

要は「やるかやらないか、選択権がある状態」であれば誰でも気軽に発言しますし、
逆に「やるかやらないか、選択権がない状態」であれば誰だって発言したくないんです。

言われてみれば当然ですよね。

「提案があがってこない組織」というのは、この「選択権」がないんです。

会議で発言した瞬間、上司からブーメランのように「じゃあやってくれ!」とはね返ってきてしまう。

それがわかっているから発言しない。

これが「提案があがってこない問題」の原因ではないでしょうか。

「選択権」が好循環を生む

では、やったほうがいい系の仕事に「選択権」が与えられると、先ほどの負のスパイラルはどうなるのか?

下図をご覧ください。

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部下が「こうしたほうが、もっとよくなりませんか?」と発言する。

上司が「じゃあ君がやってくれたまえ」と依頼する。

部下は、その提案を実際にやるかどうかを選択できる。

やりたくなければやらなくてOK。

やりたいと思うならやればOK。

当然「やりたい」と思ったことをやるわけですから、部下もいつもより前のめりに仕事に取り組めます。

そして前のめりで仕事に取り組めた経験ができた部下は「また提案してみよう」と思えます。

 

もちろん、これは「やらないといけない系の仕事」を前提とした場合は成り立たないスパイラルです。

しかし「やったほうがいい系の仕事」についてはどうでしょう。

 

「人間は怠け者で受動的ある」という前提に立つのであれば、「仕事をやる/やらないの選択権」を与えるのはかえって危険かもしれません。

一方で「人間は勤勉で積極的である」という前提に立つのであれば、「仕事をやる/やらないの選択権」を与えてもらった方が誰もが活き活きと働けるのではないでしょうか。

社会実験として、一度試してみたいものです。

以上、生意気コラムでした。