BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで

外資系コンサルティング会社に勤務。ホワイトでスマートに働くコンサルを目指していたが、最近は激務。地元九州への隠居を細々と構想中。書評?感想?読書日記をロジカルに書いていきます。夢は大きく、「ビジネス書コンシェルジュ」になれるよう、頑張ります。

資料が刺さらない…そんなあなたへ!『ドキュメント・コミュニケーションの全体観 上下巻』中川 邦夫

この本で解ける疑問は?

  • 「なにが言いたいのかよくわからない」「わかりづらい」と言われたけど、どうすれば?
  • うまく話せたと思いきや、会議でなかなか納得してもらえない。悪いのは資料?
  • ストーリー性やメッセージ性っていうけど、それってなに?
  • 美しい資料の見せ方は?
  • 資料を効率よく速く作るコツって?

 

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『ドキュメント・コミュニケーションの全体観 上下巻』って?

-Why-なぜ書かれたのか?

普段多くの会社で使われている「資料=ドキュメント」について、 筆者は次のような問題意識を持っています。

まず第1には、ドキュメントをつくるのにかなりの時間とコストをかけているにも関わらず、そのドキュメントの質が極めて悪いということである。
このため、顧客提案は通りにくく、社内資料も要領を得ないものになっている。

第2には、そうした質の悪いドキュメントを読まされる人、あるいはそうした資料を使った会議に参加する人のすべてに、この悪影響が及んでいるということである。(上巻2ページ)

この指摘の通り、「質の悪いドキュメント」のせいで、「必要以上の時間」が発生しているとすると、大問題です。

例えば、役員の週次定例会議のシーンを想像してみましょう。
役員1人あたりの1時間あたりのコストを10万円だとして(60万の企業もあります)、1時間予定の会議を5人で行うとします。
しかし、使う資料の質が悪すぎて、会議に1.5時間かかってしまった。つまり、0.5時間オーバーしたとします。

こんな会議を1年続けたとすると、どうなるか?

年間1,300万円の超過コストが発生します。

1年間は52週あるので、この週次定例会議は年間52回行われることになります。
つまり、5人×10万円×0.5時間×52=1,300万円。
たしかに、大問題といえるでしょう。

このドキュメント・コミュニケーションの大問題を真摯に受け止め、会社レベルでも個人レベルでも、その「問題解決」に本気で取り組んでいただきたい。(上巻4ページ)

上述のこの筆者の想いこそ、本書が書かれた目的といえるでしょう。

-What-なにをすべきか?

以上のような資料づくりの大問題の解決策として、筆者は「全体観アプローチ」を方法論として紹介しています。

これは、会社で使用されるあらゆる資料に共通する方法論で、「原則」「手順」「技法」「試合運び」という4つのノウハウを合わせて使っていくアプローチだと、筆者はいいます。

具体的には、次の章立てで、全体観アプローチを学ぶことができます。

Part Ⅰ:3つの原則を守れ !
Part Ⅱ:勝ちにつながる手順に従え!
Part Ⅲ:実践技法で質とスピードを両立させよ!
Part Ⅳ:うまい試合運びで効率・効果を上げよ!(上巻7ページ)

では、具体的にはなにを心掛け、どうすべきなのか?
今回は、その基本の「き」の字である、「3つの原則」に触れてみます。

-How-どのようにすべきか?

「3つの原則」について、筆者は次のように述べています。

ドキュメント制作において、
守らなければならない3つの原則がある。
「解・動・早」、「問題解決コミュニケーション」、「スタンド・アローン」である。(上巻42ページ) 

まず、「解・動・早」。これは、「資料は、読み手にわかってもらって、早く、動いてもらう目的で作れ」ということです。
メールにしろ資料にしろ、「読んでもらうこと、わかってもらうこと」が目的ではありません。あくまで、「相手に、早く動いてもらう」ことが目的です。

次に、「問題解決コミュニケーション」。これは、「問題解決の流れに沿って、物事を伝えろ」ということです。
ビジネス上、誰に動いてもらわないといけないのは、その先に「問題解決」があるからでしょう。なので、「取ってほしい行動が、どう問題解決につながるのか」がわかるストーリーで、資料を書くことが必要なのでしょう。

最後に、「スタンド・アローン」。これは「資料が誰に出回っても、誰もが理解できる状態」を指します。
資料のいいところは、「自分の代わりに、資料が説明してくれて、人を動かしてくれること」だと思います。そのためにも、この原則は守らねばなりません。

 

学び

資料作成のエッセンスやテクニカルな技まで多くのことを学びましたが、一番大きな学びは「全体観とはどういうものか知れたこと」でした。

実は私自身、この本と出会ったのは「コンサル 全体観」という検索をしたのがきっかけです。

私がコンサル入社直後の新卒研修で「木を見て、森を見ずの傾向がある。"全体観"を持って、物事に取り組んでほしい」と言われました。

正直「ありきたりの助言だなあ」と不満に思いつつ、「ところで、"全体観"ってなに?」と強く疑問を抱きました。

私は、具体的な例がないと、抽象的な概念を理解できないので、「全体観」とやらの具体例を探すべく、Googleに聞いてみました。そしたら、本書にヒットしたのです。

絶版なのか、書店で全然見つからないので、仕方なく、中身を見ずに、Amazonで買ってみました。すると、読むうちに「これが全体観ってやつなのか」と感動したことを覚えています。

何となくの私の理解だと、全体観とは「ある物事の仕組みや構造を、漏れなくダブりなく、わかりやすく体系化する観方」を指すのではないでしょうか?

例えば、本書の場合は「良いドキュメントに必要なエッセンスやテクニックを、漏れなくダブりなく、わかりやすく解説」しています。
この「わかりやすい」の基準は、「読んだ直後に、行動に移せるか」がポイントだと思います。

明日から取れるアクション1つ

  • 自分が関心あるテーマを、自分なりに「全体観」を持って体系化してみる。

※追記

この本で読んだことを、実際に2つアウトプットしてみました。

まず、下記の記事は「ビジネスの基礎体力」を自分なりに、「全体観」を持って体系化してみたものです。
読者が「自分は今、どこを鍛えているのか」を判別しやすいように、という目的で挑戦してみました。

www.biz-knowledge.com

次に、本書で得た「資料作りのコツ」を、下記の記事で「スライド」にまとめてみました。
「どれどれ」という感じで、軽く見てもらえるとうれしいです。

 

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