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【要約・書評】『感動のメカニズム』前野 隆司

この本で解ける疑問は?

  • そもそも「感動」とは?
  • 感動は意図的に作り出せるものなの?

https://www.amazon.co.jp/dp/4065175224

『感動のメカニズム』って?

突然ですが、あなたはどんなときに「感動」しますか?

  • ドラマでの「泣かせにきているシーン」に触れたとき。
  • 尊敬する人と出会ったとき。
  • 親しい人と再会したとき。
  • …etc

ちなみに私は、上司や経営層を唸らせるような美しく切れ味鋭い分析ができたときに感動します。
ボードゲームなんかで「勝ち筋が見えた」ときも感動します。

…と、こんな風に、人によって「感動のトリガー」は様々です。

この「感動のトリガー」を意図的にデザインする術があるとしたら、どんなに嬉しいことでしょう。

…実は、感動を意図的に描き出すフレームワークを見つけたんです。

それが今回ご紹介する本『感動のメカニズム』です。

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

本書の内容を掻い摘むと、次のことが書かれていました。

  • 感動とは、「満喫、共感、フロー(時間を忘れるほど何かに没頭している状態)と関連し合い、幸せに大きく影響するもの」である。

  • 感動のメカニズムを4つの象限で読み解く術を「STAR分析」と呼ぶ。

  • 1つ目は「Sense」。五感で感じた後に感情の高ぶりとして感動するメカニズムを指す。
    この感覚を高めるためには、1)自然の中に身を置く、2)「今、ここ」を意識する、3)思い切り喜怒哀楽を出す、4)五感で感じる美しさに没入するなどのアクションを取ると良い。

  • 2つ目は「Think」。知見の拡大として感じた後に感情の高ぶりとして感動するメカニズムを指す。
    この感覚を高めるためには、1)「なぜ?」を大切にする、2)物ごとの本質や根源について「そもそも」の視点で考える、3)芸術、歴史、哲学など、人類の素晴しさについて学ぶなどのアクションを取ると良い。

  • 3つ目は「Act」。体験の拡大として感じた後に感情の高ぶりとして感動するメカニズムを指す。
    この感覚を高めるためには、1)小さい一歩を踏み出す、2)しっかり感じて、しっかりと考える、3)行動に没入するなどのアクションを取ると良い。

  • 4つ目は「Relate」。関係性の拡大として感じた後に感情の高ぶりとして感動するメカニズムを指す。
    この感覚を高めるためには、1)人のよいところを見つける、2)熱中するものを見つける、3)気負わず、感じて、考え、行動する、4)他人の為になることをするなどのアクションを取ると良い。

いかがでしたでしょうか。

現代は、モノによる豊かさから心の豊かさへ、というトレンドです。

では、心の豊かさはどのように生み出されるか?

それは「感動」によって生み出されます。

その「感動」の構造を見抜き、生み出し方を可視化した本が本書です。

 

また、Amazonの評価が低かった(2019/10/04時点で星2、レビュー1名)のが信じられないほど良書でした。
レビューを低くつけた方の根拠が、「事例が多すぎた」とあるように、事例が半分を占めていますが、むしろ私は好印象でした。

ビジネスに応用する本なのに、理論だけが何百ページも書かれていたら、「ただの絵に描いた餅では?」と思っちゃいますよね。

ビジネス本であれば、理論や数ページでサクッと説明して、残りは事例に充てられていた方が、読み手としては参照しやすい。
自分が営むビジネスに合致する事例だけを掻い摘んで読めばいいわけですから。

そういう意味で、本書はかなりの良書です。

誤解を恐れずに言うならば、変なレビューのせいで、この良書が埋もれてほしくない。
こんな想いで、今回のブログを執筆いたしました。

感動のメカニズム』、是非読んでみてください。

学び

本ブログの提供価値を「STAR分析」で解剖してみる

では早速、「STAR分析」に当てはめながら、本ブログの提供価値について見てみます。

Sense…×

…皆無ですね。

これから追求するとすれば、「ペライチ」をもっと美しく描くくらいでしょうか。

Think…〇

この「Think」はこだわって勝負すべき領域だと思います。

現状は、Think領域で感動を生み出すトリガー「理解、納得、発見、圧倒」のほとんどを盛り込むことができていると思います。

Act…△

「稀有で価値のある本と遭遇する」
…こんな文脈で捉えると、本ブログは大いに可能性を秘めていると思います。

しかし、この価値を追求するのであれば、もっと「紹介する本の量」を増やす必要があります。
なるべく「遭遇」のポイントを多く作り出すためにも、「良書の紹介」を続けていきます。

Relate…×

一番の課題は、この領域にありそうです。

このブログを起点に、ビジネス書好きが集まるコミュニティを作っていきたい。

そのためにも、

  • まず、ブログの認知度を高め、賛同者を増やしていく
  • 賛同者が多くなってきたタイミングで、ビジネス書を軸としたコミュニティを形成する(大きすぎず、小さすぎない、繋がり感を担保できる「グループ」を作ってみたい)

…のような構想をぼんやりと描いてはいるものの、引き続き、

「本当にその構想の方向は合っているのか?」

「具体的にどうやって実現するのか」

…こんな論点をのんびり考えていければと思います。

どなたか妙案をお持ちの方は、アドバイスをお願いいたします!

明日から取れるアクション1つ

  • 1日1回、何かしら目にしたものを「STAR分析」してみる

https://www.amazon.co.jp/dp/4065175224

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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