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【要約・書評】『フルライフ』石川 善樹

この本で解ける疑問は?

  • 人生100年時代を生き抜くために必要な人生戦略とは何なのか?
  • ハードな仕事と長い人生の中で、絶対に押さえてくべき"重心"はどこにあるのか?


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『フルライフ』って?

最近はコロナの影響もあって、書店に全く足を運べなかったこともあって、中々良書に出会えずに苦戦していました。

そんな中で、本当に素晴らしい本に出会いました。

本書を読んだ感想を一言で述べると…

今年読んだ本の中で、一番心に響きました

論より証拠かと思いますので、早速本書『フルライフ 今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略』の紹介に入ります。

 

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

  • フルライフとは、Well-Doing(自分を高める)とWell-Being(自分らしくいる)の重心を理解してバランスを取る時間戦略である。
    この時間戦略は「ハードワーク期」「ブランディング期」「アチーブメント期」の3つに分けて考える必要がある。
  • ハードワーク期は、質の高い仕事をすることに集中する時期である。質の高い仕事をするためにも、3つの「時間軸」を操る必要がある。
    1日の重心
    1日においては、「仕事の始め方と終わり方」が重心である。
    仕事始めは、挨拶やToDoリストの確認から入る。
    仕事終わりは、To DoよりもTo Feel(印象に残ったこと)の振り返りを行うとよい。
    1週間の重心
    1週間の重心は、金曜の20時以降である。
    金曜の夜は早く寝て、土曜を1週間のスタートと捉えて早起きすると、1週間が上手く回る。
    3~10年の重心
    まずは3年を3段階で計画する
     - 1年目:組成(Who:誰とやるか)
     - 2年目:定型化(What:何をやるか)
     - 3年目:拡大(How:どのようにやるか)
    3年後の計画ができれば、その先の3年、さらにその先の3年、つまり10年分の計画が可能になる。
    特に4~6年後の目標計画が、ブレークスルーの鍵となるため、念入りに検討する必要がある。
  • ブランディング期は、周りからの信頼を集めて、仕事の幅を広げていく時期である。そのためにも、「大局観」を重心と捉えた時間配分が必要である。
    我々の日ごろの活動は、1)ひとりでやるものか、みんなでやるものか、2)DoingなのかBeingなのかの2軸で整理できる。
    「みんな×Doing」の領域は、アイデアを決める論理を活用しやすい。
    「ひとり×Being」の領域は、アイデアをドンドン出すための直観を活用しやすい。
    「みんな×Being」と「ひとり×Doing」の領域は、具体と抽象を行き来しながらアイデアを絞り込む大局観を活用しやすい。
    以上の「論理」「直観」「大局観」を使う時間をバランスよく配分する必要がある。この中でも「大局観」がもっとも難しく、かつ最も重要な位置づけを担っている。
  • アチーブメント期は、自分の仕事を社会に還元していく時期である。
    人生100年時代となったことで、これまでは存在しなかった「50~75歳=実りの秋」というフェーズが浮かび上がってくる。
    この「実りの秋」を期間を見据えたうえで、人生の戦略を構築する必要がある。
    具体的には、50歳で志を立てて、75歳までに天命をしることを意識する。
    そのためにも、50歳までに5つくらいの分野を渡り歩き、自身の専門性を幅広く深く確立させておく。
    幅広い専門性をキャッチアップするためには、1)求められるスキルが同じで分野が違う領域か、2)求められるスキルは違うが分野が同じ領域にピボットしながら挑戦するとよい。

いかがでしたでしょうか。

個人的には「重心」という考え方が凄く凄く気に入りました。

例えば、1週間の過ごし方を有意義にするためには、「土曜日を1週間のスタートと捉えて、金曜日の夜は早く寝ること」の1点の重心に集中するだけで、大きな効果が見込めます。

こうした本質的な重心を捉えられる思考力を身につけたいものです。

本書で紹介されたメソッドはもちろん、考え方まで大変勉強になりました。

この本、絶対読んだほうがいいです。

学び

「重心」を見抜く意識を習慣化する

繰り返しになりますが、本書の一番の学びは「重心」という考え方です。

この「重心」を「コツ」と言い換えて、わかりやすく解説している本があったので、ご紹介したいと思います。

本のタイトルは『もっと早く、もっと楽しく、仕事の成果をあげる法』です。
Kindle Unlimitedだと無料で読めるようです。

例えば、跳び箱の飛び方を教わるときも…

  • 助走スピードをもっと速く
  • 踏切の位置はここ
  • ジャンプの角度は〇度

…などの何10個ものテクニックを、すべて「重要なポイント」として列挙されると、何だかウンザリしますよね。情報過多もいいところです。

 

それよりも…

  • 跳び箱のコツは「両腕で体重を支える感覚を覚えること」の1つだけです

…と教えてもらったほうが、わかりやすく、かつ上達も圧倒的に早いですよね。

 

こんな風に、100個のハウツーよりも1個の「重心」を見抜く力は、昔も今もこれからも大事なスキルなんだと思います。

改めて、大事な考え方に気づかされました。 


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  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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