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【要約・書評】『エッセンシャル思考』グレッグ・マキューン

この本で解ける疑問は?

  • 少ない時間で最大限の成果を発揮するためには?
  • 余計な物事を削ぎ落すための考え方とは?

『エッセンシャル思考』って?

この本は、私の価値観の土台を作ってくれた「感謝してもし切れない本」です。

「読むと人生が180度変わる」という胡散臭いフレーズを使ってでも、みなさんにオススメしたい一冊です。

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

  • エッセンシャル思考とは、「より少なく、しかしより良く」を追求する考え方である。この思考には大きく3段階のステップが存在する。
  • 第1段階は「見極める」
    孤独
    考えるための空間や時間をつくる
    洞察
    大局を見ながら不要な情報をフィルタリングする
    遊び
    ちょっとした遊びを欠かさない
    睡眠
    1時間の眠りが数時間分の成果を生む
    選抜
    最も厳しい基準で選ぶ(90点未満は切り捨てる)
  • 第2段階は「捨てる」
    目標
    最終形を「かなり明確」ではなく「完全に明確」にする
    拒否
    断固として上手に断る
    キャンセル
    過去の損失を思い切って切り捨てる
    編集
    削除、凝縮、修正、抑制して本質を取り出す
    線引き
    境界を決めると自由になれる
  • 第3段階は「しくみ化」
    バッファ
    最悪を想定して、準備と計画に全力を注ぐ
    削減
    仕事を減らし、成果を増やす
    前進
    「早く小さく」始めて最小限の進歩を重ねる
    習慣
    本質的な行動を習慣化する
    集中
    「今、何が重要か」を考える
    未来
    自分の人生の中心にエッセンシャル思考を据える

いかがでしたでしょうか。

すごく勇気のいる思考ですが、思い切って実践できるようになると、劇的な効果が生まれるのだと思います。

つい「あれも、これも」と思いがちなのを、グッとこらえる。

周囲の目を気にせず、選ぶ=捨てる決断を下す。

…どれも非常に難易度が高いですが、時間が限られた人生だからこそ、「必須の思考法」なのかもしれませんね。

学び

新人の平社員でもエッセンシャル思考を実践するためには…

この本との最初の出会いは、社会人になりたての頃でした。

当時の僕は、本書の考え方を「少しでも余計な時間や仕事は極力削って、自分が本当に大事にしたいことに最大限の時間を充てる思考」だと解釈しました。

そして、「自分が本当に大事にしたいことか?」と自分に問いかけて、「No」なものは全て排除する。

…と、ここまでは概ね正しい理解だったと思います。

断れるだけの「説明責任」が必要

問題は「実行部分」でした。

新卒で社会人生活をスタートしたときから、「その仕事、僕はやりたくありません」と突っぱねてしまったのです。

コンサルとして入社したのに、いきなりプログラミングのタスクを押し付けられるものですから、必死に抵抗しました。

「僕のコンサルとしてのキャリアに、プログラミングは必要ありません」

…まあ、失敗しましたよね(笑)

「新人のクセに、何を偉そうに」と、こんな言い回しではなかったですが、やんわりとこんなことを伝えられました。

何とも愚かなことをしていたのだろう…と、深く反省しました。

断るには「説明責任」が伴うわけですね。

「自分にしかできない領域」を作ると、一気に断りやすくなる

先ほどの反省を活かしまして、社会人2年目からやってみたことは、「自分が得意なことが活かせるタスク」に時間を集中的に投じたことです。

僕の場合、システムのユーザーさん向けの説明資料や討議資料を作るのが得意でした。

ですので、とにかく「資料作成からお客様への説明」に1点集中してみました。

短期的には、「なんであいつは言われたタスクをやらないんだ?」「プログラミングも勉強しろって言ったのに」という空気感がありました。

しかし、めげずに「自分の得意領域」を集中的にやり続けると、徐々に「あいつは、ああいうやつだ」「他はダメだけど、〇〇に関してはあいつは凄い」という認知を形成することができました。

そうして、地道に努力しながら、少しずつ「あの領域は、あいつに任せた方がいい」「この難易度だと、あいつにしか任せられない」と言われるレベルまで上げていきます。

「何か1つでも、周りよりも断トツで得意な領域」をクイックに作れると、「領域外のタスク」を断りやすくなるのだと思います。

…と偉そうに言ってみたものの、まだまだ試行錯誤中です。

「平社員がエッセンシャル思考を実践するためには?」

…このイシュー、継続して考えていきます。

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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