BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。地元九州への隠居を細々と構想中。書評?感想?読書日記をロジカルに書いていきます。

【書評】『ビジネスの未来』山口 周

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この本で解ける疑問は?

  • これからの資本主義社会はどうなっていくの?
  • 成熟した社会が目指すべき次のステージは?
  • 誰もが「人間らしく」生きていける豊かな社会を築くためには?

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『ビジネスの未来』とは?

社会は低成長になっているわけでも、衰退しているわけでもない。ただ、成長が完了しつつあるだけ。

 

1ヶ月以上前から予約していた、山口周さんの『ビジネスの未来』。

これまた2020年の終わりに、すごい本が出版されましたね。

毎回そうなんですが、今回も見事に、頭の中で凝り固まっていた常識が粉々に砕かれました。

読み始めは「え、何だその捉え方は?」と思うはずです。

しかし、確固たるファクトとロジックと触れ合っていく中で、「なるほど、そういう見方をすれば、確かに」と唸らせる力を持っている。

山口周さんの本には、いずれもそんな不思議な力が秘められていますね。

 

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

  • 本書のメインメッセージ:ビジネスはその歴史的使命を終えつつある。
    私たちの次の使命は、「安全で便利な快適な(だけの)世界」から「真に豊かで生きるに値する世界」へと変容させることである。
  • 第一に考えたい論点は、私たちはどこにいるのか?
    私たちの社会は、明るく開けた「高原社会」へと軟着陸しつつある。
    特に先進国では、安全で快適に生きるための物質的生活基盤はすでにほとんど整備された。
    低成長に陥ったのではなく、成長が完了して「高原社会」に辿り着いたと解釈する方が正しい。
  • 第二に考えたい論点は、私たちはどこへ向かうのか?
    これは、エコノミーにヒューマニティを回復させることで、「便利で快適な世界」から「生きるに値する世界」へと向かうべきである。
    まず、私たちが依拠している社会システムを外から壊すのではなく、静かにシステム内から「ハック」する。
    そして、経済性原理(エコノミー)に、人間性原理(ヒューマニティ)を埋め込んでいく。
    そうすることで、「未来のために今を手段化する経済」から「今、この瞬間の愉悦と充実を追求する経済」に変えていく。
  • 第三に考えたい論点は、「私たちは何をするのか?」
    ①真にやりたいコトを見つけ取り組む
    無垢な衝動に素直に従い、いろいろ試して遊ぶことで、真にやりたいコトを見つける
    ②真に応援したい物事にお金を払う
    「小さく、近く、美しく」「顔の見える関係による喜びの交換」のサイクルにお金を投じる
    ③ベーシックインカムを導入する
    無垢な衝動で安心して「夢中になれる仕事」を探して取り組むためには、ベーシックインカムが必要

いかがでしたでしょうか。

要約をするのが勿体ないくらい、アートとロジックが融合した示唆に富んだ本でした。

山口周さんの独特なモノの捉えた方を支えているのは、コンサル時代に培った論理的思考力と、長年蓄積された哲学などの教養なのでしょう。

問いを立てるときは教養の力を、問いに答えるときはロジックの力を。

これこそが、「真に生きるに値する豊かな世界」を作るために必要な力なのかもしれませんね。

学び

何でも選り好みせずにやってみるのが、実は一番の近道?

今回ご紹介した『ビジネスの未来』でも、山口周さんと楠木建さんの『「仕事ができる」とはどういうことか』でも共通して書かれていたエッセンス。

それは、「天職と思えるもの、自分のセンスが活かされるもの。それを見つけるためには、とにかく何でもやってみることである」というメッセージでした。

まあ、言われてみれば当然ですよね。食べたことが無いラーメンについて好き嫌いを語ることはできませんもんね。

豚骨ラーメンが好きか、塩ラーメンが好きかは、実際にラーメンを食べてみないとわかりません。

同じように、「自分がやりたいこと」を見つけるためには、あれこれ頭で考えるのではなく、まず好き嫌いせずにやってみるのが一番早いのでしょう。

 

ただ、「好き嫌いせずに、浪費や無駄を気にせず無邪気にやってみる」というのは、言うは易く行うは難しです。

我々には「浪費や無駄はいけないこと」という捉え方が根強くあるからです。

まずは周りの目を気にせずに、「浪費しちゃえ」と一歩踏み出してみる勇気が必要なのでしょうね。


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