BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。地元九州への隠居を細々と構想中。書評?感想?読書日記をロジカルに書いていきます。夢は大きく、「ビジネス書コンシェルジュ」になれるよう、頑張ります。

まだ「話し方」を鍛えてるの?『ロジカル・プレゼンテーション』高田 貴久

この本で解ける疑問は?

  • プレゼン力を磨くには、何を鍛えればいいの?
  • 自信満々で話せた提案、なぜ通らないの?
  • なぜ、会議はいつも退屈なの?

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『ロジカル・プレゼンテーション』って?

このビジネス書は、大学3年生の就活の時期に「どうすれば、グーの音も出ないくらいに面接官を納得させる喋りをするか?」というしょうもない理由で手にした本です。

当時は、「全然、就活のこと書いてない」と思い、放置しておりました。
しかし、最近読み直してみて、「これは、社会人の全ての仕事に通じる学びが得られるぞ」と思い直し、本ブログで紹介する運びとなりました。

-Why-なぜ書かれたのか?

本書を書いた背景として、次のように書かれていました。

私が本書で書き綴った背景には、現場で苦しい思いをした経験を多くの人に伝えることで、少しでもビジネスを円滑に進めるための役に立ちたいという切実な願いがある。

もちろんスキル本、ノウハウ本としても活用できる内容には仕上げたつもりだが、それ以上に、日々の業務で少しでも良い「提案」をしていただき、それによって企業を少しでも変革し、社会全体をよくしていただければ本望である。(9ページ)

「良いアイデアが、提案の仕方が原因で日の目を見なかった場面」を何度も目にしてきた経験が、本書の問題意識を形成しているそうです。

このような問題意識から、「良いアイデアを埋もれさせることなく実行し、社会をよりよくするための提案力を伝授すること」が本書の目的だと読み取れます。

-What-なにをすべきか?

先に、本書の「ペライチ」を示します。図1をご覧ください。

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図1

本書のポイントである「提案の技術」には、「考える」力と「伝える」力の2点が必要です。

「伝える」力に長けていても、「考える」力が不足していて中身がゼロであれば、提案の価値もゼロになります。
逆もまた然りです。

上記の「考える」力は、「論理思考力」と「仮説思考力」の2点で構成されています。
一方、「伝える」力は、「会議設計力」と「資料作成力」の2点で構成されています。

これらの能力を総合的に高めていかなければ、プレゼンテーションは上手くいきません。
「話し方」や「目配り」などは、プレゼンテーションのほんの一部であり、本質ではないことがわかります。

-How-どのようにすべきか?

今回は、私が苦手としている「会議設計力」を詳しく見てみます。
「会議設計力」の中でも「着地点」に絞ってみます。
図2をご覧ください。

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図2

この「着地点」は2つの要素で構成されています。

位置づけ

1つ目は、「位置づけ」です。図3をご覧ください。

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図3

プレゼンテーションの場である「会議」の構成要素は3点あります。

  1. 仮説思考力の視点
  2. コミュニケーションの視点
  3. 問題解決の視点

この3点によって、「会議の位置づけ」が決まります。

例えば、キックオフMTGの位置づけは、

  • 仮説思考力の視点:目的、論点、仮説を扱う場
  • コミュニケーションの視点:顔合わせの場
  • 問題解決の視点:現状を把握する場

…という風に定義されます。

この位置づけを誤ってしまうと、「何のための会議だっけ?」という疑問を生んでしまい、不毛な会議になってしまいます。

イン/アウト管理

2つ目は、「イン/アウト管理」です。図4をご覧ください。

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図4

会議で必要なインプットや、出すべきアウトプットを誤ると、会議がとん挫してしまいます。

例えば、会議のインプットで「新しい感」や「進んでいる感」が無いと、「あ、前と一緒か」「あの会議、何も進展なかったよ」となりかねません。

また、会議のアウトプットが「進みすぎて」いると、「いや、方向性違うんだけど」と言われ、手戻りが発生する可能性が出てきます。

 

学び

本ビジネス書を通して、次の学びを得ました。

会議の良し悪しは「準備」で決まっている

今までコンサルとして、経営層や課長、現場層を相手に、幅広く会議を行ってきました。
コンサルの立場上、基本的には、会議のアジェンダと使う資料、当日のファシリテートはすべて自分で担うことになります。

そうやって100以上の会議をこなしていく中で、わかったことがあります。
それは、会議では決して「ドラマチックな偶然は起きない」ということです。

よくドラマで、会議の場で「情熱的な演説で、相手の心が動いたシーン」を見かけます。
そこだけ切り取ってみてみると、「話し方」「ジェスチャー」「立ち振る舞い」といった表面的なテクニックが大事に見えてきます。

 

しかし、そういった表面的なテクニックだけでは、決して会議やプレゼンテーションはうまくいきません。
盛り付けが良くても、調味料や材料が間違っていたら意味がありません。

  • 論点とその答えを考え抜き
  • 会議の位置づけを明確にし
  • 十分なイン/アウトを揃え
  • 読み手や聞き手にスッと入ってくるように資料に落とし
  • 想定される質疑応答をシミュレーションする

…という準備をバカにせず、1つ1つ丁寧に進めていくことが重要です。

まあ、これだけ準備しても、上手くいかないこともあります。
そこまで準備し尽くした後は、「ドラマチックな偶然」を期待して、会議に挑むのもよいかもしれません。

明日から取れるアクション1つ

  • 次の会議では、最近おざなりになっていた「位置づけ」のスライドを用意する

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