BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。地元九州への隠居を細々と構想中。書評?感想?読書日記をロジカルに書いていきます。夢は大きく、「ビジネス書コンシェルジュ」になれるよう、頑張ります。

【1枚でわかる】『SUPER MTG(スーパー・ミーティング)』スティーヴン・G・ロゲルバーグ

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この本で解ける疑問は?

  • 不効率なミーティングが無くならない原因は?
  • どうすればミーティングから「ただの観客」がいなくなる?


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『SUPER MTG(スーパー・ミーティング)』って?

「自分の会社の会議は効率的でハイパフォーマンスです」

おそらく、自信を持ってこのように断言できる人は、極めて稀だと思います。

それくらい難しさを孕んでいる「ミーティング」に焦点を当ててみます。

 

「ミーティング術」については、既にいくつか本が出されていますよね。

しかし「科学的に」ミーティングについて語った本は、実はほとんど存在していません。

まあ、これはミーティングに限らず、ほとんどのビジネス書は「科学的」ではなく「経験則的」に書かれています。

言ってみれば、これは当たり前です。

ビジネスの世界では、現場での実践や経験が「事例」となり、徐々に「科学」されてフレームワーク化されていくからです。

「経験→科学」の順番はありますが、「科学→経験」の順番はほぼあり得ないはず。

 

しかし、だからといって「科学」を侮ってはなりません。

「具体と抽象の行き来」と同じように、「経験/実践と科学の行き来」を通して、より強いビジネススキルが養われていきます。

そこで今回は、「ミーティングを、体系的に科学した本」として『SUPER MTG(スーパー・ミーティング)』をご紹介します。

 

まずは本書を要約した「ペライチ」を見ていきます。

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

本書の内容を要約すると、次のことが書かれていました。

  • ミーティングに焦点を当てるべき理由は、そのコストの大きさにある。ミーティングは、1つの国で1日「5500万回」行われており、不効率なミーティングによるコストを算出すると年間2500億ドルにのぼるという。
    一方で、ミーティングにも「メンバー同士の絆を深める」「個人が意見を言える機会を提供する」「問題解決・理解を共有する」役割があるため、ミーティング自体を無くすわけにはいかない。
    「不効率な悪しきミーティング」にフォーカスして、メスを入れていく必要がある。
  • ミーティング改善にあたり「組織の方針」「事前準備」「進め方」「終わり方」の枠組みで、工夫例をピックアップする。
  • ミーティングにあたっての「組織の方針」の例
    • 「ミーティングが短くて回数が少ないこと」を組織のスタンダードにする
    • ミーティングをする曜日/時間帯と、ミーティングを「しない」曜日/時間帯を決めておく
    • キリの良い時間(60分や30分)にこだわらず、最小限の時間(25分など)を設定する
  • ミーティングの「事前準備」の例
    • MTGには「絶対に必要な人」だけ呼ぶ。同時に「MTG出席を断る権限」も与える
    • 「どのアジェンダを含めるべきか/含めないべきか」、事前に意見を集めておく
    • 目的に合わせて場所/形式を選ぶ(立って行う、歩きながら行うなど)
  • ミーティングの「進め方」の例

    • 出席者に役割と責任を割り振る。役割は交代制で回す
    • 集中の妨げになる「電子機器」の使用を禁止する。ただしMTG時間を短くすることが前提
    • 「沈黙」を有効活用する。「一人で考え、紙に書き出す時間」を作る
  • ミーティングの「終わり方」の例

    • 終了時間を厳守する。アジェンダが全て片付いたら、終了時間前でも終わりにする
    • 全員が納得できる形で、ToDoリストまで確実に落とし込む
    • ポジティブな雰囲気でMTGを終える

いかがでしたでしょうか。

個人的に凄く参考になったのが「沈黙」の扱い方についてです。

ミーティングの場で、いきなりブレインストーミング(ブレスト)を始めるのではなく、数分間「沈黙=個人で紙に書き出して、アイデアを整理する時間」を挟んだほうが効果的なシーンもあると。

これは目から鱗が落ちました。

「ミーティングだから、何か話さなければならない」という隠れた前提を疑った、非常に効果的な工夫だと感じました。

こうした「目から鱗の工夫」が、科学的根拠と事例と一緒に沢山紹介されています。

どれも「読んだその日から実践できるレベル」で書かれていますので、ミーティングに課題感をお持ちの方は是非読んでみてほしい一冊です。

 

学び

ミーティングはアジェンダを立てるだけではダメ

これは前職のコンサル時代に、同期に教えてもらった話です。

 

コンサルになりたての最初の関門は「議事録」です。

議事録を何本も「書いては赤入れ」の繰り返しです。

当然、議事録以外にも膨大なタスクがありますので、議事録だけに時間を取られていたら、いつまで経っても家に帰ることができませn。

議事録を赤入れされればされるほど、終電で帰れる希望が失われていくわけです。

いわば、生きていくため(大袈裟ではありません)にも、議事録を早く正確にまとめあげるスキルは必須のサバイバルツールなのです。

 

そんな「議事録」をクイックに綺麗にまとめる同期がいました。

秘訣を聞いてみると「ミーティングが始まる前から、7割がた議事録を完成させておくこと」と答えてくれました。

 

要は、ミーティングのアジェンダごとに、

  • Aという意見と、Bという意見が出てくるだろう
  • AとBどちらの意見を採用するかを、おそらく○○の基準で比較するだろう
  • 結論はA案になるだろう

…と、事前にシミュレーションしておくんですね。

もちろん、シミュレーションが外れることも多々あります。

しかし、事前にこれをやっておくだけで、ミーティングの理解度や議事録の出来が大幅に変わります。

 

これは別に議事録を書くときだけでなくて、ミーティングをファシリテーションするときにも使えます。

アジェンダを立てるだけでなくて、議論の道筋や仮の答えまで考えないと、「準備万全」とはいえないわけです。

毎度恒例の、自戒の意を込めて。


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