キャリア マインドセット 書評

【要約・書評】『好きなことしか本気になれない。』南 章行

この本で解ける疑問は?

  • キャリアアップよりも大事なことは?
  • 個人の力で食べていくために必要なものは?


https://www.amazon.co.jp/dp/4799325418

『好きなことしか本気になれない。』って?

「好きなことしか、本気になれない」

これは誰にでも当てはまることだと思います。

例えば、大好きな漫画を読んでいるときは、時間があっという間に過ぎてしまいます。

この感覚がまさに「好きなことに、本気になっている状態」と言えるでしょう。

 

では、どうすれば仕事の場面でも「好きなことで、本気になっている状態」を再現することができるのでしょうか?

そんな疑問を解き明かすべく、今回は本書『好きなことしか本気になれない。』をご紹介します。

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

  • 我々に必ず訪れる将来は、「人が減っていき、かつ誰もが長生きする時代」である。そんな時代だからこそ、個人の力で一生食べていくことが求められる。
  • 一生食べていくための個人の力は、「スキル+自分の価値観+セルフリーダーシップ」で構成される。
  • スキルについては、大前提として「これさえあれば、一生通用するスキル…なんてものは一切存在しない」と心得る必要がある。したがって、常に新しいスキルを貪欲に会得していく姿勢が求められる。
    時には自分の「絶対優位」なスキルが見当たらない環境に直面することもあるだろう。そんなときは「比較優位」なスキルで、少しでも周囲に貢献していき、小さな成功体験を積み重ねるとよい。
    また、あえて「得意ラベル」を貼ってしまうことで、結果的に後から「得意」になることだってできる。
    以上のように「がむしゃら」にスキルアップをしていくためにも、あえて「圧倒的に活躍できない環境」に自分の身を置いてみることが大事。
  • 自分の価値観については、意思決定とアクションを何度も繰り返し行い、とにかく回数を積み重ねることが重要になってくる。その意思決定のときには、論理ではなく自分の感情(=価値観)に身を任せるとよい。こうして「自分の価値観」で意思決定を重ねることで、「自分の価値観」をさらに深めることができる。
  • セルフリーダーシップとは、自分で目標を決め、実行して達成し、自分で評価することを意味する。自分の価値観で意思決定した責任を一手に担うスタンスが重要である。
  • 以上の「スキル」「自分の価値観」「セルフリーダーシップ」の3つを駆使することで、自分ごととして「手応えと実感がある活動」を行っていく。その中で、大切な人に説明できる「ストーリー」を形作っていきながら、「パパ、かっこいいだろ」と胸を張って生きていくことも、幸せの一つの在り方である。

いかがでしたでしょうか。

「自分の価値観」で素直に意思決定することは、言葉にすると簡単です。

しかし、色々なしがらみがある中で、「自分の価値観」で意思決定することは、とても難しく感じます。

それでも、「自分で意思決定をし、自分の尻ぬぐいは自分でする」…こうしたスタンスを貫いてこそ、自分だけのストーリーを描くことができ、胸を張って生きることができるようになる。

そんな、かっこいい生き様について、講義を受けたような感覚になる本でした。

読んで良かったと、心から思います。

学び

「圧倒的にできない環境」と「得意ラベル」の効力

  • 圧倒的に「できない」環境でこそ、スキルが伸びる
  • 「得意ラベル」を自分で貼れば、やがて得意になる

…このように本には書いてありましたが、まさにその通りだと思いました。

ここからは、私の生い立ちの話ですので、興味ない方は飛ばしてください。

 

私は小学4年生のときに、友人に誘われて、ミニバスケットボールのクラブに入りました。

ですが、周囲の仲間たちはみんな自分よりも2~3年以上前からバスケをやっている経験者。パス・ドリブル・シュートどれをとっても足元にも及ばないわけです。

本書でいう「圧倒的にできない環境」とは、まさにこのことですね。

この経験で、自己肯定感と自己効力感が著しく低下しましたが…

友人に言われた「あきらめるな、おれたちにはお前が必要だ」という言葉に後押しされて、何とかクラブ活動を続けることができました。

しかし、このまま何も頭を使わずにクラブ活動を続けていても、現状の課題は解決しません。

そこで、「自分はパスもドリブルもできないけど、外からのロングシュートは誰にも負けない」と意地を張ってみたんですね。何の論理的根拠もなく、ただスラムダンクを読んで「ロングシューターの三井がカッコいいから」という理由だけで、そんなハッタリをかましたわけです。

本書でいう「得意ラベル」の話ですね。

たまたまチームにロングシュートが得意な選手がいなかったことも幸いして、半年くらいひたすらロングシュートの練習をした結果、外からのシュートはほとんど外さなくなりました。(運も調子もめちゃくちゃいいときは、1試合30得点の日も、1回だけありました)

そんなこんなで、何とかチームのレギュラーに選んでもらうことができ、いい思い出で幕を閉じることができました。

今でもこの経験は、私にとってちょっとした成功体験になっています。

 

で、何が言いたかったかというと、「圧倒的にできない環境」であえて「得意ラベル」を貼ってがむしゃらにやってみると、スキルが伸びる…この論は確からしいぞ!ということです。

意図的に「圧倒的にできない環境」で「得意ラベル」を貼ってみる作戦を、今後も続けていこうと思った次第です。

(これがまあ、めちゃくちゃ辛いわけですが…)

明日から取れるアクション1つ

  • 「圧倒的にできない環境」候補を洗い出して、その中から興味あるスキルが磨ける環境を選定してみる


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  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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