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【要約・書評】『なぜあなたばかりつらい目にあうのか?』加藤 諦三

この本で解ける疑問は?

  • なぜ相手に理解してもらえないのか?
  • なぜ頑張りが評価されないのか?
  • なぜつらい気持ちになるのか?

『なぜあなたばかりつらい目にあうのか?』って?

クライアントとの会議でけちょんけちょんにされた帰り道に、「帰ったら、また作業しなきゃ」と思いつつも、書店に寄り道した際、この本のタイトルが目に飛び込んできました。

その時々の気分によって、目に飛び込んでくる本が違うので、頻繁に書店に立ち寄るのが楽しくて仕方ありません。

…と、話は逸れましたが、「必要以上に、"気にしい"になってないか?」という問題意識が、本書を読んだ理由です。

-Why-なぜ書かれたのか?

本書の「そで」の部分には、次のように書かれています。

なぜあなたは理解されないのか?
なぜあなたはいつも人間関係に怒っているのか?
自分がわかれば、多くの物事はうまくいく。
この本は、悩みが尽きないあなたが、
自分のベストに気がつき、
自分の潜在的能力に気づくための本である。
新しい世界を開くための本である。(本書の「そで」)

つまり、「自分自身を理解し、悩みの原因を取り除くこと」が本書の目的といえます。

-What-なにをすべきか?

悩みを解消するためには、「とにもかくにも、まずは、自分自身が悩んでいる理由をきちんと理解することが重要」です。

そこで、本書のタイトルを参考に「『なぜ、私ばかりがつらい目にあうのか?』と思うのか?」という問いを起点にして、本書の主旨を把握してみます。
図1の「ペライチ」をご覧ください。

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図1

ここでは、「頑張れば頑張るほど苦しくなる」に注目してみます。

これは、人間関係が上手くいかない人の共通項みたいです。

  • 社会的感情(思いやり、共感能力、協調性など)が欠落しているから、自分と相手の現実が違うことを認識できない。

  • 自分と相手の現実が違うことを認識できない、つまり相手の気持ちがわからないまま努力してしまい、空回りしてしまう。
    そして「自分はこんなに頑張っているのに」という勘違いを起こしてしまう。

  • 「自分はこんなに頑張っているのに、報われない」が蓄積して、自分を苦しめてしまう。

…と、こういう「負のメカニズム」に陥ると、「自分ばかりがつらい目にあってしまう」と思い悩み、自分を追い詰めることになります。

-How-どのようにすべきか?

以上のような、悩みの原因に対して、筆者は次の処方箋を提供してくれます。

  1. 対立を怖がらず、イエス・ノーをはっきり言ってみる
  2. 人間関係の好き嫌いに正直になる
  3. メンツにこだわらない
  4. 「ごめん」「ありがとう」から始めてみる

ここでは、4について、詳しく見てみます。

人は「ごめん」と言って、自分が加害者であることを認めることで、「過剰な被害者意識」から一歩、解放されます。

そうすると、相手からも理解を示してもらえるので、心がホッとして、「相手を理解しようと努力する余裕」が生まれます。

相手を理解する努力が積み重なると、「社会的感情の欠落」というボトルネックが解消されます。

社会的感情の欠落が解消されると、先述の「負のメカニズム」にも陥ることはありません。

自分の「的外れな頑張りすぎ」にも気づくためにも、まずは「ごめんね」「ありがとう」を意識すると、心が楽になるかもしれませんね。

こうした「的外れな頑張りすぎ」に気づくことも、「マインドフルネス=心を整える」の一種だと、私は考えます。

「最近、心がしんどいな」と思う方は、是非手に取ってみてはどうでしょうか?
「当たり前なようで、当たり前じゃない、的外れな頑張りすぎ」を取り除くと、だいぶ楽になれますよ。

 

学び

本ビジネス書を通して、次の学びを得ました。

ホリエモンの『自分のことだけ考える』が意外と処方箋になる!?

先述の「悩みの原因」は、相手の称賛の声を過剰に意識し過ぎた結果、とも言えるでしょう。

  • 自分のしていることを素晴らしいと思わないと生きていけない
  • 「私がこんなに頑張っているのに」という不満を持つ

…こうした考えは、「相手の称賛の声への、過剰な意識」が招くものです。

相手のことを考えすぎてしまうから、自分の首をしめてしまう。

 

…ならいっそ、「自分のことだけ考える」が1つの解決策になり得るのではないでしょうか?

自分のことだけ考える』にも書かれていたように、図2のエッセンスに注力するほうが、くよくよと悩むことなく前に進めます。

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図2
  • 嫉妬したら、負け
  • 「理解されたい」なんて思わない
  • 他人の「正義感」はスルーする

…他人のために無理するのが、バカバカしくなりますね。

自分のことだけ考える』。
過激な劇薬のように見えて、実は「つらい人の悩みを解消してくれる、優しい処方箋」だったんですね。

新しい発見でした。

明日から取れるアクション1つ

  • 人間関係の好き嫌いに正直に従い、飲み会や誘いの意思決定を下してみる

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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