BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで

外資系コンサルティング会社に勤務。ホワイトでスマートに働くコンサルを目指していたが、最近は激務。地元九州への隠居を細々と構想中。書評?感想?読書日記をロジカルに書いていきます。夢は大きく、「ビジネス書コンシェルジュ」になれるよう、頑張ります。

あなたの思考、後手に回っていませんか?『見通す力』池上 彰

 

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この本で解ける疑問は?

  • 先を「見通す」ためには、何が必要?
  • 忙しいんだけど、どうやって情報収集のクセをつければいい?
  • 情報はどうやって選別していけばいい?

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『見通す力』って?

書店の新書コーナーをブラブラしていたときに、『見通す力』という、私の中二病心を見事にくすぐるタイトルにやられて手に取った本が本書です。

テレビでもお馴染の池上彰氏ですが、毎度「ニュースとニュースの間にあるロジックを読み解く力」には脱帽しますよね。

「どうやって、あそこまで、ニュース間の関係を見抜くことができるのか?」と以前から疑問を持っていたので、いい機会だと思い、読んでみました。

-Why-なぜ書かれたのか?

本書の序章の終盤に、次のような文章が見当たりました。

株や投資信託などで資産運用をしている人であれば、もし「見通す力」があれば、2008年秋以降の景気悪化に際しても、さほど損せずにすんだかもしれません。

「見通す力」を持てれば、日本や世界の将来といった大きな問題から、自分が住んでいる社会や、勤めている会社のこれから、さらには、自分の身のまわりの環境や家庭がどうなっていくのか、という問題まで予測できる可能性が出てきます。(19ページ)

つまり、「公私問わず日常的に有用な"見通す力"の鍛え方や使い方を伝授すること」が本書の目的といえます。

-What-なにをすべきか?

では、適切に将来を予測するための「見通す力」は、どのような要素で構成されているのでしょうか?

ここで本書の「ペライチ」を示します。図1をご覧ください。

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図1

見通す力は次の4つで構成されていることがわかります。
それぞれの説明に割かれているページ数も付け加えておきます。

  1. 情報を集める「ニュース定点観測」…計49ページ
  2. 情報を選別する「深堀り情報収集」…計37ページ
  3. 仮説を立てる…計16ページ
  4. 仮説を検証する…計3ページ

このページ数を見てもわかる通り、実は「見通す力」の説明の8割以上を、1と2の「情報を集め、選別する」に割いています。
それだけ、著者が1と2を重視していることがわかります。

3と4は『仮説思考』といった思考本に譲るとして、1と2について詳しく見てみます。

-How-どのようにすべきか?

ここで図2をご覧ください。

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図2

情報を集め、選別するにあたって、「媒体別」のテクニックが示されています。

中でも「なるほどな」と思ったのが、
著者の語り口や構成の「クセ」をつかんで速読に活かす
…というテクニックでした。

今まで無意識にやっていたことだったので、「有意識化」できたことが大きな収穫でした。

例えば池上氏の著書の場合は、次のような構成であることが多い印象です。

  • 問いかけ
  • 章で伝えたいメッセージ
  • 具体例
  • まとめ(問いかけのときも多い)

ですので、池上氏の本を読む際は、

  • 先に「章で伝えたいメッセージ」や「まとめ」に目を通し、
  • よくわからなければ、「具体例」に戻ってイメージを膨らませる

あるいは、

  • 「問いかけ」に対して、自分なりの答えを出してみる
  • 池上氏の「章で伝えたいメッセージ」と照らしてみる
  • 最後に、再度「問いかけ」に答えてみる

…というような読み方をすると、全部読まなくてもスピーディーに内容を理解することができます。

 

と、ここまで「見通す力」の全体像をご紹介しました。

ですが、池上氏の著書の醍醐味なのは、やはり、豊富なジャーナリスト経験に裏打ちされた「現場感滲み出る具体例」でしょう。

本書でも、著者が実際にどのようにニュースを読み解いて先を見通したか、豊富な例示を共に説明されています。
ジャーナリストのプロである池上氏が見ている景色を疑似体験できる、おすすめのビジネス書です。

 

学び

本ビジネス書を通して、次の学びを得ました。

アウトプットばかりにフォーカスしても、まともな成果は出せない

仕事でよく「アウトプットから始めなさい」と言われます。

アウトプットから始めるためには、「仮説」が必須です。

なので、今まで

  • 仮説思考力を高めるための本
  • 論点設計の本
  • 素早くストーリーを構成し、資料に落としていく本
  • 相手にわかってもらい、動いてもらうためのプレゼンテーションの本

…のように「アウトプット偏重」でビジネス書を読み漁っていました。

 

しかし、一歩立ち止まって、「では、仮説はどこから出てくるのか?」を考えてみます。

答えは、「自分が持つ経験や知識」です。

本書を読んでみて、日々アウトプットを出すための「知恵」は鍛えていても、「知識」を養っていないことに気づきました。

何ともお粗末で、お恥ずかしい限りです。
まあ、このタイミングで気づくことができてラッキーだと捉えることにします。

日ごろから情報を集め、「情報の点と点を線でつなぐ」ようなインプットをしていかないと、と意気込んだ次第です。

明日から取れるアクション1つ

  • 毎日、せめて日経新聞の「一面の見出し」と「ベタ記事3つ」は読むようにする

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