BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。地元九州への隠居を細々と構想中。書評?感想?読書日記をロジカルに書いていきます。夢は大きく、「ビジネス書コンシェルジュ」になれるよう、頑張ります。

【1枚でわかる】『未来に先回りする思考法』佐藤 航陽

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この本で解ける疑問は?

  • 予測困難な未来を予測するためには?
  • 未来を形作る「テクノロジー」の本質とは?


https://www.amazon.co.jp/dp/4799317547

 

『未来に先回りする思考法』って?

下記の箇所を読んだとき、「この本を買おう」と即決しました。

「何十年後にこうなる」という未来予測の結論のみを知ったところで、そこに至るまでのプロセスがわからなければ、一切応用が利きません。しかし、もしも社会が進化するパターンを見抜いていれば、状況が変わっても未来を見通すことが可能になります。そのための汎用的な思考体系をお伝えするのが本書のテーマです。(p9より)

本書がいう、社会のパターンとは何なのか?

そんな問いと向き合いたくて、本書を手に取ってみました。

 

まずは本書を要約した「ペライチ」を見ていきます。

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

本書の内容を要約すると、次のことが書かれていました。

  • 未来に先回りする思考とは、世の中の流れを読み、今どの場所にいるのが最も有利なのかを適切に察知する能力を指す。そのためには、次の3つを押さえておく必要がある。
  • 第一に、「常に原理から考える」である。原理を捉えるためには、まず、目の前の活動が、そもそもどんな「必要性」を満たすために生まれたのか、歴史をふまえて「線」で考える。この「必要性」とは、不確実な未来を予測するためのコンパスのような存在である。
    次に、その「必要性」をテクノロジーでより効率的に満たせないかを検証することで、これからの社会の成り立ちを考えていく。
  • 第二に、「テクノロジーの現在地を知る」である。「テクノロジーを知る」という行為には4つの段階がある。①使える、②ポテンシャル(テクノロジーで何ができるか)がわかる、③なぜできたのかを原理から理解している、④実際の作り方がわかる、の4段階である。
    このうち、「③ができるかどうか」で大きく差がつくことになる。それぞれのテクノロジーがなぜできたのかを理解するためには、テクノロジーの本質を押さえる必要がある。テクノロジーの本質とは、1)人間の拡張、2)人間への教育、3)掌から宇宙へ、の3つである。この3つの本質を理解しておくことで、目の前のテクノロジーがなぜ生まれたのか、今後どのように発展していくかを見立てることができる。
  • 第三に、「タイミングを見極める」である。具体的には「メディアや周囲の人をリトマス試験紙だと思う」「パターンが掴めるまで、意図的に失敗を重ねる」「ロジカルシンキングを疑い、合理性は後付けに使う」「既にルールのある所では戦わない」「五分五分で決断する」などの意識が必要。

いかがでしたでしょうか。

神通力のように思える「未来予測」にも、ちゃんとカラクリがあるようです。

本書は2015年に書かれていますが、予測のいくつかは2019年に起きているんですよね。

2019年の今読むからこそ、得られる学びもあるのかもしれません。

学び

「必要性」の一つは「危機感」

本書では、イノベーションの必須要件として「必要性」を挙げています。

例えば、世界人口の1%にすぎないユダヤ人がノーベル賞受賞者の20%を占めるのは、彼らが迫害から生き延びるために「圧倒的な知恵」を身につけざるを得なかったからです。

要は「危機感」です。

 

同じことが『教養としての「世界史」の読み方』からも読み取れます。

この本が掲げる論点の1つ「文明はなぜ大河の畔から発祥したのか?」を考えてみましょう。

端的に述べると、「乾燥化が起きたから」が答えになります。

具体的には、下図ような論理です。

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乾燥化した環境で干からびないためにも、「水の必要性」を原動力に、必死に知恵を絞ったわけです。まさに字のごとく「必死」に、です。

そうして「文明」と呼ばれるイノベーションが誕生しました。

こういった歴史上の文脈も踏まえると、イノベーションの原動力は「必要性」であり「危機感」だということがよくわかります。

そう考えると、我々の生活はほとんど「危機感」を持つ必要はありませんね。

別に会社をクビになっても、どうってことないわけですから。

果たして我々は、どのような「危機感」を抱く必要があるのでしょうか?

あるいは「危機感」や「イノベーション」は、そもそも必要ないのでしょうか?

こういった論点を、年末年始にゆっくり考えたいと思います。

 


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