スキルアップ マインドセット 書評

【要約・書評】『TAKE NOTES!メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる』

突然ですが、質問です。

みなさんは、何のために「メモ」を取っていますでしょうか?

  1. 記録のため:言われたこと、見かけたことを、忘れないようにするため
  2. 思考のため:知識を整理しながら、新たな着想を得るため

今回ご紹介する『TAKE NOTES!』は、2のメモについて書かれています。

どんなメモを取っていけば、体系的に自分の考えを整理できるのか?

そんな問いに、今回は迫ってみます。

『TAKE NOTES!』とは?

本書は、ニクラス・ルーマンという社会学者が書かれています。

この方は何がすごいかというと・・・

数百本の論文と58冊の本を執筆していて、しかも執筆テーマも多岐にわたっています。

いったいどうすれば、多様なテーマについて、自分なりの考えを展開できるのか?

その答えが、『TAKE NOTES!』に記されているメモ法です。


では、どんなメモ法が書かれていたのか?

私の理解も踏まえてまとめた図解がこちらです。

↑の図解の中身を説明しますね。

メモの取り方は3段階ある

本書によると、メモの取り方は大きく3種類あるそうです。

  1. 走り書きメモ
  2. 文献メモ
  3. 永久保存版メモ

①走り書きメモ

1段階目は「走り書きメモ」です。

これは「思いたったときに、気軽に書くメモ」ですね。

  • メモの内容は何でもOK
  • とりあえず思いついたら書く
  • あまりキレイに書こうとしないこと
  • ただし、ノートやアプリなどあっちこっちに書くのではなく、一か所に書いておく

これらを意識しながら書いてみましょう。

②文献メモ

2段階目は「文献メモ」です。

これは「何か本や資料を読むたびに書くメモ」ですね。

本や資料を読んだときに、「これは忘れちゃダメだな」と思ったものをメモします。

ただしこのとき、1つだけ注意点があります。

それは「本の表現をそのまま書き写すのではなく、"自分の言葉"で書くこと」です。


ちなみに、私の知り合いに、ビジネススクールの講師の方がいるのですが、

その方も同じようなメモを取っていました。

メモアプリを見せてもらうと、

  • 本のなかで印象に残った記述をそのままメモ
  • 自分なりの解釈も必ずセットで添えておく

という感じで書かれていました。


「本の内容を、自分なりの言葉でメモしておく」

これは、仕事ができる人に共通するメソッドなのかもしれませんね。

③永久保存版メモ

3段階目は「永久保存版メモ」です。

ここまでで紹介した「①走り書きメモ」と「②文献メモ」で得た学びを、きちんと整理したもの。

それが「永久保存版メモ」です。

永久保存版なので、「今後5年10年たったあとも見返すことがある、未来の自分にとって拠り所となるメモ」を書く必要があります。

では、永久保存版メモを書くときのコツは何か?

それは、「すでにあるメモと"関連性"を持たせながら書くこと」です。


例えば、今回のように「メモの取り方」について学びを得たとしましょう。

メモを取るときはどういうときかというと、情報をインプットするときが多いですよね。

ですので、「情報をインプットする方法を書いたメモ集」のなかに、今回の「メモの取り方」を加えていきます。

※ちなみに、私にとっての「インプット法についてのメモ」はこちらにまとめています。

『TAKE NOTES!』 から得た学びまとめ

ちなみに、私が『TAKE NOTES!』から学んだ「メモのエッセンス」は次の3点です。

  • メモは、自分の言葉で書くこと(人から借りてきた言葉では書かないこと)
  • メモは、他のメモと関連性を持たせながら書くこと
  • メモは、なるべく一か所にまとめて書くこと

このような「メモを取るうえでの原理原則」を学べたことが、何より大きな収穫でした。


一方、Amazonのレビューをいくつか見てみると、

「具体的な方法が書かれていなかった」

「メモを取るうえでの理論が中心だった」

といったコメントをいくつか見かけました。

確かに、私も同じ感想を抱きました。

なので、率直にいうと「メモの具体的な書き方や豊富な具体例」を求めている方には、あまりオススメできない本です。


しかし、私としては「枝葉のハウツーよりも、本質的な学び」が得られたので、読んでみて本当に良かったです。

というのも、具体的なハウツーが書かれていると、他のことへの応用が効かないんですよね。

それに、そのハウツーが自分に合ってないときは、軌道修正が大変じゃないですか。

でも、ハウツーではなくて「メモの理論や考え方」を学べれば、「自分流のメモ法」をカスタマイズしやすくなります。


ということで、もし「メモについての本質的な学び」を得たい方がいらっしゃれば、

ぜひ『TAKE NOTES!』を手に取ってみてはいかがでしょうか。

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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